研究概要 |
回折限界以下に収束した光波のモードを得る方法の一つとして光導波路を用い,磁気光学再生ヘッドを試作することを目的として,レーザ,導波路から媒体に至る全ての光学系のデザインについて検討を行った。ここでは主に磁気ディスクと同様な浮上型のスライダーヘッドを検討した.導波路方式については,エバネッセント光を用いる光ファイバー方式とは異なり,波動光学的な解析手法が確立している.そこでまず,理論解析を進め,レーザから導波路モードへの変換,導波路からの出射,媒体入射に際してのモード変換,さらに磁気媒体での反射を効率的に導波路に戻すためのグルーブ形状のデザインの解析を行った。 以下に本年度に行った研究成果をまとめる. 1)スポット変換導波路構造の検討:半導体レーザ,光学レンズから導波路に効率的に光を入射させる方法を検討した. 2)計算機シュミレーションによってどの程度の小さな磁区が光熱磁気記録できるか検討を行った。その結果,光ビーム径を0.1ミクロンに絞ることによって0.4〜0.8ミクロンの微少磁区が書き込むことができることが明らかとなった。 3)微小な磁区を書き込んだときの磁区形状を観察する手段として走査磁気力顕微鏡による光磁気記録による矢羽根形磁区の観察を行った。その結果,0.2ミクロン程度の磁区形状が観察できることが分かったが,本研究で目標としている0.1ミクロン前後の磁区観察さらにを行うためには顕微鏡に用いるカンチレバ-の形状や材料についてさらに検討が必要であることが分かった。
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