研究課題/領域番号 |
08555078
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
伊藤 太一郎 大阪府立大学, 工学部, 教授 (10081366)
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研究分担者 |
中村 孝 (株)ローム, VLSI研究開発部, 研究員
神澤 公 (株)ローム, VLSI研究開発部, 課長(研究職)
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キーワード | YMnO_3 / 強誘電体 / 不揮発性メモリー / VLSI / エピタキシャル成長 / 界面修飾法 / MFS / 誘電特性 |
研究概要 |
強誘電体不揮発性メモリー(MFS)の作製が期待できる新物質YMnO_3が、Si基板上でc軸配向する成長条件を確立することを目的として実験を行った。YMnO_3薄膜は、レーザーアブレーション法により作製した。 まず、Si直上でYMnO_3の形成を試みた。X線回折、TEDから、YMnO_3の還元性バッファー層を挿入することによりYMnO_3の形成が確認できた。基板温度を上げると膜の配向が(11・1)から(00・1)に変化することがわかった。配向が異なる膜に対して電気的特性の評価を行った。強誘電体薄膜評価装置を用いた分極・電界特性の測定では膜が残留分極を示すことを確認した。しかし、残留分極の大きさは配向の違いと対応しておらず、文献値と比べてもかなり小さいものであった。TEM観察の結果から、Si上に形成したYMnO_3は結晶化は見られるものの粒径が数十nm程度と小さかった。また、比誘電率の周波数依存性、リ-ク電流、C-V等の測定結果から、膜中には空間電荷が多く存在すると見られる。そのため、メモリー応用に必要な特性を選るには、膜の結晶性を向上させる必要がある。 そこで、Y_2O_3をバッファー層としてYMnO_3を成長させることを試みた。Y_2O_3は比誘電率がYMnO_3とほぼ等しいこと、YMnO_3の構成元素のみを構成元素することから、SiとYMnO_3との間にY_2O_3が存在してもメモリー応用においてほとんど問題にならない。TEM、RHEEDの結果からSi上でY_2O_3はエピタキシャル成長し、さらにその上に成長させたYMnO_3もc軸配向したエピタキシャル成長をしていることを確認できた。
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