研究課題/領域番号 |
08555081
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
荒川 泰彦 東京大学, 国際産学共同研究センター, 教授 (30134638)
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研究分担者 |
平川 一彦 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (10183097)
榊 裕之 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90013226)
藤井 陽一 日本大学, 理工学部, 教授 (00013110)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 量子ドット / 微小共振器 / 量子井戸 / テラヘルツ電磁波 |
研究概要 |
情報通信技術の発達はさまざまな電磁波領域の開拓を必要としてきている。これは単に情報量の増大のみならず、さまざまな情報のやりとりを実現するために要請されてきている。 本試験研究では、21世紀のテラビット級情報ネットワーク構築をめざした基礎技術として、コヒーレント・テラヘルツ電磁波発生のための半導体集積デバイスの開発研究を行い、テラヘルツもしくはフェムト秒テクノロジーという研究分野の実用化に寄与することをはかった。まず、絶縁性GaAs基板上にGaAsを低温成長しその表面および基板裏面に光導伝ダイポールアンテナを集積化し、フェムト秒レーザパルスを用いたポンププローブ法により、テラヘルツの発生と検出を行った。その結果感度を2.5倍向上させることができた。この結果は本素子の有効性を示すものである。さらに新しい原理のデバイスとして、半導体微小共振器と多重量子井戸を面型に組み合わせたしたコヒーレント・テラヘルツ電磁波発生用半導体集積デバイスを提案し素子設計を行った。また、これにもとづきMOCVD結晶成長により素子の試作を行った。その基礎実験を行った。本素子は、半導体量子井戸を有する微小共振器においてわれわれが1992年に世界に先駆けて見い出した励起子ポラリトン効果(量子井戸中の励起子と微小共振器中の光子のコヒーレント相互作用による真空ラビ振動)を利用したものである。フェムト秒分光システムによりポンプ・プローブ法により反射スペクトルを観測することにより、光を搬送波とする2テラヘルツ程度のテラヘルツ振動を観測することに成功した。 本研究により、集積テラヘルツ電磁波発生システムの基礎付けが行われ、マイクロ波フォトニクスにおける新たな展開をもたらす可能性を示唆することができた。
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