研究課題/領域番号 |
08555084
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
畑中 義式 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (60006278)
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研究分担者 |
富田 康弘 浜松ホトニクス(株), 電子管事業部, 研究員
河合 敏昭 浜松ホトニクス(株), 電子管事業部, 部門長研究員
青木 徹 静岡大学, 大学院・電子科学研究科, 助手 (10283350)
中西 洋一郎 静岡大学, 電子工学研究所, 助教授 (00022137)
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キーワード | 固体X線画像検出器 / 高エネルギー放射線 / イメージングデバイス / 薄膜トランジスタ / CdSe / CdTeヘテロ接合 / ポジトロンCT / 即時性高解像度X線検出器 |
研究概要 |
当初はポジトロンCTの検出器としての必要条件を実験的に調査し、現在実用化されたCdSeとCdSとのヘテロ接合を用いたX線用イメージセンサーを基本としてCdSをCdSeに置き換えたときのヘテロ接合の作製方法を実験的に確かめた。MOCVD法を用いた薄膜作製を行い、基盤に垂直な-軸配向性多結晶ヘテロ接合膜を得た。ジメチルカドミウムとセレン化水素、もしくはジエチルテルルを原料としたCVDにより300℃程度の基板温度で良質の-軸配向多結晶膜が得られ、良好な光電特性を持つことが確かめられた。また、このようにして作製されたCdSe/CdTeヘテロ接合は熱処理により特性改善されることも確認された。TFT回路設計においては、上記ヘテロ接合による光電変換部と走差回路とが一体となった一次元のリニアー素子の設計を行った。ガラス基板上にクロムまたはタンタルゲート電極のパタ-ニングをしボトムゲートを形成した。次に絶縁層としてスパッタリングにより窒化シリコンまたは酸化シリコンを形成、タンタルゲートの場合はタンタルの酸化層を形成した。その上にTFTのドレイン及びソースをクロムによって形成し、その後上記MOCVD法でCdSeを成長した。 II-VI族化合物半導体への不純物添加の方法として、エキシマレーザード-ピングを考案し、この研究で、ZnSeに対してNaの添加で5×10^<19>cm^<-3>のホール濃度を実現した。CdTeに対して之を適用して高濃度の不純物添加の出来ることを確認し、ホモ接合を作製しp-i-n型の検出器の研究も行った。この研究で暗電流の少ない、高いバイアス電圧の下で動作出来るデバイスを作ることができるようになった。さらに、このレーザード-ピング法を用いると、II-VI族半導体において、部分的に不純物添加を行うことが出来、画像素子として集積化された検出器を製作するのに、有効な技術であることも分かった。 今後、これらの基礎技術を生かし、II-VI族半導体の画像集積化デバイスの開発に繋げる予定である。
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