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1996 年度 実績報告書

選択的薄膜成長機能をもつ新しいレーザアブレーション法による有機電界発光素子の作製

研究課題

研究課題/領域番号 08555087
研究種目

基盤研究(B)

応募区分試験
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

神成 文彦  慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (40204804)

研究分担者 山口 滋  石川島播磨重工業, 光プロジェクト部, 主任(研究職)
キーワードレーザアブレーション / 有機機能性薄膜 / 有機電界発光素子
研究概要

1.有機薄膜の結晶性の改善に関する実験
CuPcの場合,HeNeレーザを薄膜堆積時に照射することで結晶性を改善できることがわかっているが,照射方法と改善度について実験を行なった.光励起によるマイグレーション効果を考えた場合,プルーム励起によっても同様の効果が期待できるが,改善は得られなかった.すなわち,薄膜形成時に長時間の光励起が必要である.HeNeレーザ強度に対して本効果が1mW/cm^2近傍で飽和傾向にあることも判明した.また,基板の種類には無関係であることもわかった.一方,DC電界を印加すると著しい結晶性の向上が得られた.電界の極性に依存しないことから,分子の分極が電界によって揃う効果があることが判明した.薄膜形成時に行なうことで,低温で結晶の配向を得ることができる.今後,CuPcのような平面状に展開した分子以外で確かめる必要がある.この電界による結晶性の制御も空間的分解能は劣るが電界発光のパターン化に応用可能である.
2.混合有機薄膜中のエネルギー移乗に関する実験
電界発光の波長域を広げる手法として,混合有機薄膜が用いられているが,光励起による電子的活性過程を含むアブレーション法で,混合有機薄膜の機能性を検証した.Alq3にDCM色素を混合した薄膜は,XPS,FTIR測定からは新しい結合の発生は確認できなかったが,電界発光スペクトルは明かに短波長に広がっており,真空蒸着で得られる薄膜とは異なっている.また,電界発光素子のCuPcとAlq3との界面における励起子再結合からDCMへのエネルギー移乗によるDCMの発光も確認された.従って,アブレーションで作製された薄膜においては有機分子間のエネルギー移乗を起こすに十分な品質が維持されていることが明かになった.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T.Fujii: "Electrical and optical characteristics of organic thin films fabricated by laser ablation" Applied Surface Science. vol.96-98. 625-629 (1996)

  • [文献書誌] T.Fujii: "Depasition of fluoropolymer thin films containing semiconductor microcrystallites by VUV laser ablation" Applied Surface Science. vol.96-98. 621-624 (1996)

  • [文献書誌] 松本尚能: "レーザーアブレーション法による銅フタロシアニン薄膜の形成" レーザー研究. vol.24 No.9. 978-986 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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