研究概要 |
本年度は広トレランス・高結合を目指して最適構造の探究を行なうとともに結合系の基本構造を試作して解析を行なった。同時に最近開発された、テ-パ導波路付スポットサイズ拡大半導体レーザに対し、当初計画に従って本結合系を適用した。この結果,本研究が目指した結合系が基本的に高効率,大きなトレランスを有することが判明した。主な成果は以下のとおりである。 1.最適構造の解析と試作実験 波動論およびビーム伝搬法に基づく数値計算により、コアレスファイバ長や二乗形屈折率分布ファイバ長に対する最適構造の解明を行った。この解析にもどづき、単心の結合系を試作して実験した結果、作動距離が150μmと長く、且つ結合損失が4dBと低損失な結合系が実現できた。次年度はアレイ同士の結合に応用する計画である。 2.狭放射角LDとの結合実験 三菱電機製のテ-パ導網路付スポットサイズ変換LDを用いて本結合系との結合効率を評価した。その結果、結合損失が1.6dB(作動距離は140μm)という極低損失特性を得た。これにより本結合系が最近開発されつつあるLDとの整合性に優れていることを実証することができた。また、反射戻り光がほとんどなく、LDの動作が安定することも確認できた。 3.基本構造パラメータの評価 コアレスファイバの先球曲率分布および異種ファイバ同士の接続部での屈折率ゆらぎの評価を行った。この結果、曲率分布は表面張力の効果により予想された以上に一様であることが判明した。これは製造上、再現性が良いことを表しており、本技術が実用的であると言える。また、ファイバ接続部での不完全性を分析した結果、適当な融着接続条件にすればほぼ無視できるほどであることが明らかになった。次年度には外径変動との関係も解明する予定である。
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