研究課題/領域番号 |
08555089
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
白石 和男 宇都宮大学, 工学部, 教授 (90134056)
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研究分担者 |
大石 勇 古河電工, 情報システム事業本部・マルチメディア推進室, 部長
松村 和仁 宇都宮大学, 工学部, 教授 (70005297)
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キーワード | レンズドファイバ / GIファイバ / 先球ファイバ / 光通信 / 結合効率 / 作動距離 / 光ファイバ / 半導体レーザ |
研究概要 |
本年度は実用化を考慮して高結合かつ作動距離の大きな新構造を探求した。その結果、作製法が簡単で要求性能を充分満たす新しいレンズドファイバ構造を創案することができた。結合系を試作して実験を行った結果、予想通りの高性能を確認することができた。主な成果を以下に示す。 1.最適構造の創案 昨年度までは、先球コアレスファイバとGIファイバから成るレンズドファイバ結合系を用いて実験してきた。この結果を詳細に分析した結果、作動距離を大きくかつ結合効率を向上させるためには、先球半径を大きく保ったままレンズの実効的な開口数を大きくすること、先球部に入射した光波の位相分布を平面にすることが鍵になることが判明した。これをもとに、幾何光学、波動光学、およびビーム伝搬法を駆使して新構造を探求した。その結果、先球ファイバにはGIファイバを用いること、かつ先球部分とは集束パラメータの異なる第2のGIファイバを縦続接続して用いることを見いだした。理論的には作動距離50μmで結合損失1dBという高性能が期待できることが分かった。 2.結合系の試作実験 協同研究者の協力を得て、特殊な集束パラメータを有する2種のGIファイバを試作し、新結合系を作製した。作製は、本研究費で購入したファイバ融着接続器を用いて行った。半導体レーザとの結合損失を測定した結果、作動距離50μmで2dBの値を得た。従来は4dBであった。簡単のため先球化は放電加熱に依っていること、およびGIファイバの構造パラメータが最適なものでは無いことを考えると極めて良好な特性を得ることができたと言える。
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