研究概要 |
1.可変周波数形スイッチングアンプの設計・試作 電流制御形のパルス幅変調アンプにおいて,電流誤差検出回路とトランジスタ・スイッチング回路との間にヒステリシス特性を持った素子を挿入することによって,コイルのインダクタンスに依存してスイッチング周波数が変化するアンプが得られる.本研究では,より低コストなシステムの実現を目指して、部品点数が少なく回路構成の簡単な単象限アンプを試作した. 2.スイッチング信号に基づいた変位の検出実験 試作したヒステリシスアンプを電磁石の励磁に用いたときに,浮上対象物と電磁石との間のギャップを変化させてスイッチング周波数を測定し,スイッチング信号に基づいた位置推定の精度(静特性)を評価した.その結果,スイッチング周波数は,ギャップに比例して変化することを確認した. 3.セルフセンシング磁気浮上の実現 (1)通常の磁気浮上システムにおいて用いられる変位センサは,ほとんどがアナログ出力形のものである.これに対し,ヒステリシスアンプを利用したセルフセンシング磁気浮上システムでは,ヒステリシスアンプのスイッチング信号を周波数出力形変位センサからの出力とみなして制御する.したがって,従来の磁気浮上系とは異なる制御系シンセシスが可能となる.制御系で行われる信号変換に着目して制御系を分類し,その特徴について論じた. (2)(1)の結果,ディジタル制御系を構成する場合には,カウンタをインターフェースとして利用することによって低コストのディジタル制御システムを実現することができることがわかった.本研究では,このような発想に基づいて,実際にカウンタ・ディジタル入力装置を用いたディジタル制御システムを構築し,セルフセンシング磁気浮上状態を実現することに成功した.
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