研究課題/領域番号 |
08555113
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
家村 浩和 京都大学, 工学研究科, 教授 (10026362)
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研究分担者 |
高橋 良和 京都大学, 工学研究科, 助手 (10283623)
小川 一志 川崎重工, 橋梁技術部, 部長
五十嵐 晃 京都大学, 工学研究科, 助教授 (80263101)
松久 寛 京都大学, 工学研究科, 教授 (00109034)
佐藤 忠信 京都大学, 防災研究所, 教授 (00027294)
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キーワード | 振動制御 / 隣接構造物 / 連結型制振装置 / ジョイントダンパー / 粘性ダンパー / 地震応答 / 制震 / ロバスト制御 |
研究概要 |
本研究では、隣接する橋桁構造系や隣接建物系を取り上げ、それらの連結装置による連結により、同時振動制御を行うことを目的として、理論的側面から種々の検討を行った。本研究課題に関連して別途実施の予定されている、実物大隣接フレーム構造物の振動実験のケースを参照モデルとして想定し、様々な側面から連結装置による隣接構造物系の同時振動制御の実現および実用化に当たって予想される制振効果の評価および問題点の抽出を行った。まず、隣接した2つの構造物を、パッシブ方式の連結装置で連結した場合の地震応答の低減効果に関する評価を行った。このような連結デバイスにより最適な制御効果が得られる条件を、特にダンパーの粘性係数に着目し、全体構造系の複素振動モードおよびそれらの振動統制パラメータとの対応関係の解明、およびPQ定点理論に基づく考察により検討した。地震応答制御の効果は、地震入力および応答の力学的エネルギーに基づく考察によっても裏付けられることを明らかにした。さらに、パッシブ方式よりも効果的な制振が可能となるアクティブ方式の連結装置に関して、制御則とコントロールのアルゴリズムについてのケーススタディを行った。特に本研究課題と強い関連がある、実大構造物を用いた実験において用いられる予定の構造物モデルに基づき、H∞最適制御理論およびスライディングモード制御理論に基づいた制御系の試計算および、構造-制御系の応答シミュレーションによる検討を行った。特に、アクティブ方式において問題となる可能性のある、ダンパーおよび制御系の動特性に関する不確かさの影響にも着目することとした。隣接構造物の連結ダンパー方式による制振システムにおいても、H∞最適制御などロバスト性能に優れた制御方式を採用することが、実現に当たって非常に有効であることを明らかにした。
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