研究課題/領域番号 |
08555115
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 忠信 京都大学, 防災研究所, 教授 (00027294)
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研究分担者 |
QI Kai 京都大学, 防災研究所, 非常勤講師
澤田 純男 京都大学, 防災研究所, 助教授 (70187293)
鈴木 祥之 京都大学, 防災研究所, 助教授 (50027281)
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キーワード | バリアブルダンパー / 最適震動制御 / 粘性ダンパー / メカトロダンパー / ハイブリッド実験 / 免震構造物 |
研究概要 |
構造物を構成する部材や要素の中に計算機で制御可能な構造要素を配置し、地震動の継続時間中に構造物の剛性と減衰特性を時々刻々と変化させて、構造物全体を地震動に抵抗できる制震構造物の実現化の研究を十数年にわたって実施し、設計地震力を大幅に削減できることを明らかにしてきた。こうした観点から、設計外力を大幅に減少できる構造として、橋梁の支承や原子力発電施設の支持機構にバリアブルダンパーを制震構造として用いる場合を想定し、必要とされるバリアブルダンパーの動特性を明確にするとともに実用化を目的として設計されたダンパー(既存設備)を用いて検証実験を実施した。 申請者等が開発してきた自己学習型のハイブリッド震動制御シミュレータ(構造物の応答計算、バリアブルダンパー機構、ダンパー制御装置を各々独立のDSPで構成することにより、実物大の構造実験をシミュレートできる装置)を利用することにより、構造系の震動応答の観測値を利用して構造系の動特性のみならず制御系に組み込まれている制御則を、時々刻々と修正しながら最適な震動制御を実行できる制御システムを設計した。 本年度の研究実施計画は以下のようである。 1)橋梁系を対象として、構造物の弾塑性領域における耐震性の検討を目的として、種々の制震容量の下での数値実験を実施した。 2)不規則外乱の振幅特性のみならず位相特性が、制振装置を有している構造系の応答に及ぼす影響を詳細に検討する。このために入力の影響を実時間で評価できる制御則を新しく誘導し、支持地盤との間の相対変位についてその大きさを推定するための方法論を展開した。 3)地盤-構造系の動的相互作用効果は周波数依存性の複素剛性として表現される。構造物の動的非線形性を考慮した解析に、相互作用の効果を組み込むために新しい数値時間積分法を開発し、相互作用を考慮した場合としない場合について、制振構造系の不規則外力に対する応答特性の相互比較を行った。
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