研究課題/領域番号 |
08555119
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古関 潤一 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (30272511)
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研究分担者 |
三木 博史 建設省土木研究所, 材料施工部土質研究室, 室長
舘山 勝 (財)鉄道総合技術研究所, 土質・基礎研究室, 主任技師
村田 修 (財)鉄道総合技術研究所, 土質・基礎研究室, 室長
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キーワード | 擁壁 / 補強土擁壁 / 耐震設計 / 兵庫県南部地震 / 逆解析 / 模型実験 / 土圧 / 震度法 |
研究概要 |
各種擁壁構造物の合理的な耐震性評価手法を開発することを目的として、兵庫県南部地震における被災・無被災事例の逆解析と、各種の擁壁模型を用いた模型実験を実施した。 逆解析では、5種類の型式の異なる鉄道擁壁を対象として、震度法と極限釣合い解析に基づく現行の設計手法による安定計算を行った。この際に、実際に各現場から採取した盛土試料の三軸試験を実施して盛土材の強度特性を設定し、また、実際の壁体から採取したコアの試験結果に基づいて壁体コンクリートの強度特性を設定した。その結果、現行設計法で予測される破壊モードと実際の挙動がほぼ対応すること、最大水平加速度とこれに等価な水平震度の関係が従来型の擁壁と補強土擁壁では異なる可能性があること、内部安定の検討に用いる水平震度は外部安定の検討に用いる値よりも大きく設定する必要があること、鉛直地震動の影響を考慮しても現行設計法で得られる安全率はほとんど変わらないことを明らかにした。 模型実験では、長さ200cm,奥行き60cm,深さ60cmの土槽を用いて重力式擁壁、もたれ式擁壁、L型擁壁の傾斜実験と水平加振実験を実施し、擁壁の背面に作用する土圧の水平及び鉛直成分の大きさとその分布を、高さ方向に連続して設置した荷重計を用いて測定した。また、これらの模型を対象に前述した現行設計法を用いた安定計算を行った。その結果、実測された土圧の位相特性と擁壁の破壊モードは現行設計法と整合しているが、裏込め土の破壊メカニズムと土圧分布は現行設計法で想定しているものとは異なっていることを明らかにした。
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