研究課題
粗い粒子を含む地盤材料の静的ならびに動的変形過程に関わる様々な工学的課題について、研究代表者および6名の研究分担者の2年間にわたる研究成果を取りまとめた。"粗い"という言葉は、相対的にこれと対比する代表的な寸法があって用いられるものであるから、"粗い粒子"のサイズは必ずしも一律に決められず、ここに取りまとめた諸テーマで問題とする粒子の寸法も様々である。しかしながら粒状体で構成される構造体に対してその粒子の大きさが無視できない大きさを持つ場合、あるいは細・粗異なるサイズの粒子が混合している状態、さらに補強素材という異なる寸法のものが細粒の中でfabricを構成している場合などがここで取り扱った様々なテーマに共通する条件である。研究代表者、分担者が手掛けた研究テーマは10に及ぶ。ここで取り上げる細・粗取り混ぜた粒状材料の変形過程を扱う場合、材料を連続体とみなす古典的な手法は一般に適用が困難で、力学的な検討の方法論そのものにもコーナーストーンとなるべき提案や発展が盛り込まれている。これらの中には、粒状体構造の内部を粒子形状や接触状況にいたるまで可視化するレーザー援用トモグライフィー、個別要素法での粒子形状や液状化過程の表現手法、そして緩い砂礫の集合体の内部を伝播するせん断波速度の計測実験などが含まれる。さらに粒状体を不織布や短繊維で補強する工法やプレストレス、プレロードをかけてその強度を向上させる工法などの提案とその実証実験などが含まれる。以上の成果の概要をとりまとめ報告書を作成した。
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