研究概要 |
平成9年度は,昨年度導入したドラム型遠心装置の運転開始から,短期・長期運転時の温度の安定性等の性能確認までおこなった.導入直後から回転動力モーター及びそのインバータ-に問題があり,最大回転数(850r.p.m)まで上昇させることができなかった.そのため本来ならば,本年度中に行う予定であった加振装置を製作を延期し,装置の基本的性能の確認と計測装置の開発を中心に行った.動力モーターについては,遠心装置本体の振動の抑制及びインバータ-の設定を変更することにより,短時間で目標遠心加速度場となるまで回転数を上昇させることができるようになった.これについては,ほぼ同時期にドラム型遠心装置を導入した西オーストラリア大学との議論と,代表者が広島大学で既に導入設置した小型遠心装置の経験が非常に役に立った.その後、長期運転時の回転・温度の安定性について検討した.これは模型地盤を回転容器内に堆積させた後の圧密に必要な時間を考え,24時間連続運転を行い,その振動及び温度変化を測定した.その結果,回転数はほぼ一定値であるが,温度については前半の12時間で徐々に上昇し,その後一定値となることが分かった.この温度の上昇は実験上問題とならない範囲であり,実験が安定して行える条件であることを確認した.現在は、回転容器の加振システムの開発を行っており,来年度には振動実験を行う環境が整う予定である.
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