研究概要 |
本研究は詳細な水理模型実験と非線形回折理論の誘導を研究代表者と分担者の4人で分担して行うものであり,岩田は多方向不規則波の水位変動と水粒子速度場の簡易表示法を,水谷は単一大口径円柱に作用する汚染非線形波力を,富田は単一大口径円柱による多方向不規則波の変形を,川嶋は複数の大口径円柱構造物に作用する多方向不規則波の非線形回折波力を取り扱った。まず,4人が共同して,単一大口径円柱に作用する多方向不規則波の非線形回折波力と非線形回折波の変形の実態と複数(2円柱と3円柱)の大口径円柱に作用する多方向不規則波の非線形回折波力と波変形の実態を詳細な水理実験で明らかにした。ついで,岩田・水谷・富田が共同して,単一及び複数の大口径円柱に作用する斜交波と多方向不規則波の2次オーダーの非線形回折波力と波変形の理論解を誘導した。そして,誘導した2次オーダー非線形回析波理論の妥当性を水理模型実験結果と比較することにより検証した。さらに,断面形状として円以外の軸対称及び面対称の大型構造物による2次オーダーの非線形回析波理論解析法を誘導・提案した。そして,その解析法の妥当性を水理実験で明らかにした。傾斜水域における単一及び複数の大口径円筒構造物に作用する多方向不規則波の波力と波変形の詳細な検討を水理実験により行ない,特に方向集中度パラメーターの効果を明らかにした。
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