研究概要 |
超微細気泡(10〜30μmの気泡径)を発生させるエアレーターを汚水浄化に適用し,その効果を調べた.エアレーターには,旋回式(R1型)と自吸旋回式(V1型)を用いた.前者は,閉鎖水域内の循環流形成と50〜80μm程度の微細気泡の発生に優れ,後者は10〜30μmの超微細気泡の発生に優れる特性を有する. R1型エアレーターを用いて,ゴルフ場調整地(長さ60m,幅40m,深さ3m,容量5000m^3)の浄化実験を行い,濁度および浮遊物質(SS)の低減にきわめて効果(600時間で90以上の低減率)のあることが確認された.また,その汚水機能によって,動植物の生育環境が大きく好転することも明らかにされた. V1型エアレーターを用いて,庭池(容量40m^3)の汚水浄化実験を行い,水中に浮遊し,汚濁の原因となる藻類の人工浮上制御に成功した.大量発生したマイクロバブルが水中に浮遊する藻類に付着し,相対的に藻類の比重が小さくなり,浮遊を促進させる.さらに,マイクロバブルの付着によって,水面まで浮上し,大量の藻類(最多時で表面積の約5割)が水面で観察された.また,底部の堆積物の著しく減少し,エアレーター周辺部では,堆積部がなくなり,底壁が露出したのに対し,エアレーターの影響が及ばない領域では,約5cm程度の堆積物が残ったままであった。 これらの効果を踏まえ,エアレーターの改良がなされた。
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