研究課題/領域番号 |
08555146
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
古賀 靖子 九州大学, 大学院・人間環境学研究科, 助教授 (60225399)
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研究分担者 |
井川 憲男 竹中工務店技術研究所, 基礎研究部, 主任研究員
三宅 行美 英弘精機株式会社, 研究員
松澤 朋子 九州共立大学, 工学部, 助教授 (50221792)
中村 洋 高知女子大学, 生活科学部, 教授 (10024209)
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キーワード | 雲量 / 雲形 / 照度 / 放射照度 / 昼光 / 日射 / 昼光照明 |
研究概要 |
本研究の目的は、雲量を機械的に測定し記録するシステムの構築と機器の開発である。平成10年度の研究実績は以下である。 (1)天空走査型色彩輝度計による雲量測定 九州大学において、天空走査型色彩輝度計による雲量測定を行った。これより、連続的に測定しているグローバル照度、全天空照度、グローバル放射照度、天空放射照度について、それぞれの変動と雲量の関係を検討した。 グローバル照度とグローバル放射照度は、雲量が1以下の場合を除き、雲量に関する変動のばらつきが大きかった。全天空照度と天空放射照度は、雲量が大きくなるにつれて増加する傾向にあった。また、クラウド・レイショ (グローバル成分に対する天空成分の比)は雲量と共に増加し、雲量10のとき約1の値に収束した。 (2)ビデオ・システムによる雲量測定 九州共立大学において、ビデオ・システムによる雲量の測定を行った。これは、等距離射影方式の魚眼レンズを取り付けたビデオ・カメラをコンピュータに接続して天空の画像を取り込み、雲量を求めるものである。ビデオ画像について、目視による判別で雲形と雲量を求め、同時に測定したグローバル照度の変動を雲形別、雲量別に検討した。雲形の分類は気象庁の気象観測指針に従い、上層雲(巻雲、巻積雲、巻層雲)、中層雲(高積雲、高層雲、乱層雲)、下層雲(層積雲、層雲、積雲、積乱雲)に分類した。このうち、測定期間中に乱層雲と積乱雲は観測されなかった。雲量は、ビデオ画像を1,000分割して、各天空要素が空か雲か、あるいは障害物その他であるかを判別し、空と雲の天空要素数に対する雲の天空要素数の割合として算出した。 高層雲について、昼光照度の変動に対する雲量の影響は見られなかった。中層雲、低層雲については、雲量が大きいときのデータしか得られず、雲量別の十分な検討ができなかった。
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