研究課題/領域番号 |
08555156
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 湘南工科大学 |
研究代表者 |
石井 満 湘南工科大学, 工学部, 教授 (80212827)
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研究分担者 |
薄 善行 古河機械金属(株), いわき工場第2製造課, 技師
石橋 浩之 日立化成工業(株), 筑波開発研究所, 研究員
小林 正明 高エネルギー物理学研究所, 物理系, 助教授 (40013388)
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キーワード | シンチレータ特性 / 光透過率 / 耐放射線性 / 引上げ法 / タングステン酸鉛 / 硫酸ガドリニウム / 蛍光減衰 |
研究概要 |
1.PWO(PbWO_4)関連 1)PWOの蛍光特性を改善することを目的として、原料に少量のLa^<3+>(0.5〜460ppm)を添加してた原料から単結晶を育成し、シンチレータ特性に関連する光透過率、蛍光減衰特性および耐放射線性を評価した。その結果、光透過率は350〜450nm近傍で著しく改善され、これに伴って、従来PWOに410および490nmの二つの発光が存在していたのが前者だけとなり、さらに蛍光は5および40nsの二つの減衰成分だけとなった。PWO:Laについて^<60>Coγ線に対する耐放射線性を調査中であるが、大きい改善が期待される模様である。 不純物の添加は、その他に偏析係数(0.6)の測定のほか、+、2+、4+、6+などの異なる電荷をもつ不純物を添加して、その影響を調べた。その結果、本研究でみられたPWOの光および蛍光特性には、Pbイオン空孔の生成にともなう格子欠陥が強く影響しており、La(20〜50ppm)の添加はその原子価を補償した結果であると考察した。 2)結晶成長については、¢190mmの白金るつぼおよび結晶成長炉を整備し、大型結晶(¢40x250mm)の育成を開始した。またブリッジマン法による結晶育成についても実験中である。 2.GSO:Ce(GdzSiO_5:Ce)関連 1)¢150x150mmhの大型るつぼを購入し、るつぼ系を整備し、¢80x320mmLの大型結晶を育成する技術を開発中である。結晶育成では、成長中のるつぼの温度をモニターして成長初期の非定常的な成長を管理する技術を開発中である。 2)上記の実験で育成したインゴットから、25x25x260mm^3および20x20x200mm^3を目標に、結晶を切断研磨し、シンチレータを採取した。その結果、GSO結晶には強い癖開性があるため、技術的に困難が予想されたが、クラックがない加工技術をマスターすることができた。 3)試作したシンチレータの特性は、Cel.5mol%では、発光量は63〜90ch/26cmおよび250〜330ch/20cmであり、比較的良好な均一性を持つことが確認できた。
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