研究課題/領域番号 |
08555157
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
安藤 義則 名城大学, 理工学部, 教授 (30076591)
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研究分担者 |
飯島 澄男 日本電気(株), 基礎研究所, 主任研究員
大河内 正人 名城大学, 理工学部, 助教授 (50076626)
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キーワード | カーボンナノチューブ / 水素ガス / アーク放電 / 赤外線放射加熱 / 加熱精製 / X線回折 / ラマン散乱 |
研究概要 |
本研究では、アーク法で作製したカーボンナノチューブに含まれるナノ粒子を物理的方法で除去し、精製したナノチューブを大量に作製することを目的とした。その際、最初にナノチューブを作製するときに、共存するナノ粒子が少なければ、その後の処理が容易で簡単に精製できることは言うまでもない。その意味で、最初に混入するナノ粒子ができるだけ少なくなる条件を求めた。その結果、アーク放電を行う際の雰囲気ガスとして、通常のフラーレンの場合とは全く異なり、水素原子を含む雰囲気中で蒸発を行うとナノ粒子の混入が少なくなることが分かった。 純粋な水素ガスの中でグラファイトのアーク放電による蒸発を行い、良質のカーボンナノチューブを作製し、それを物理的方法で精製することを試みた。その方法として赤外線放射加熱装置を用いて、空気中で約500℃に30分間加熱することにより、ナノ粒子がほとんど完全に除去できることが明らかになった。その結果、面積にして約10mm^2、厚さ0.1mmのカーボンナノチューブの集合体を得ることが可能になった。それは、スポンジのようでピンセットで取り扱うことが可能であり、X線回折やラマン散乱などの物性測定に耐えうるだけの量を得ることができ、現在その試料を用いた興味のあるデータを得つつある。
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