研究課題/領域番号 |
08555158
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
安田 榮一 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (70016830)
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研究分担者 |
小笠原 俊夫 日産自動車(株), 宇宙航空事業部, 上級技師
矢野 豊彦 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教授 (80158039)
赤津 隆 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (40231807)
田邊 靖博 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (70163607)
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キーワード | 高温破壊靱性 / R曲線挙動 / セラミック基複合材料 / 亀裂進展挙動 / 曲げ試験 / 繊維架橋 / 亀裂先端閉口応力 |
研究概要 |
高温下での非平衡破壊状態における亀裂進展挙動を追跡し、セラミック複合材料の破壊過程を追跡する為の装置開発が本研究の目的である。本年度は、高剛性な材料試験機を購入し、これに2000°Cまでの高温炉を設置した。実際に高温で負荷する荷重は、高々1tonであるが、高剛性な試験機として10tonの容量を持つ試験機とした。高温炉の中に設置する押し棒としてこれまでよく黒鉛ロッドが使用されていたが、これは剛性に乏しいことから、本研究では、炭化珪素質の太いロッドを用い、オーリングによる真空遮蔽部の水冷金属ロッドと面接触するように袋ナットで固定した。試験片形状としては、JIS型の曲け試験片(4×3×35mm)を用いることとし、試験治具には、やはり剛性の高い事が必要なことから市販のSiC製のJIS用高温用曲げ治具を用いた。設置した電気炉の常用使用温度は1800°Cであるが、十分に2000°Cを達成することが出来た。2000°Cを得られる発熱体としてタングステンやモリブデンがあるが、多少の真空漏れにも安心して使用できる発熱体として、炭素の発熱体を用い、真空劣化を来さないように、炭素繊維系のフェルト質の断熱材を用いた。これにより、十分な真空を保持し、2000°Cの高温を達成できた。この装置を用い、亀裂寸法を読み取る必要のないシェブロンノッチを導入した試料を用い、アルミナの高温破壊靭性を測定したところ、1200°C付近まで安定した破壊靭性値を示し、1300°C以上で、塑性変形に起因すると思われるKICの急激な増加を呈し、高温での破壊靭性値測定に十分な試験機の剛性が達成されたことが分かった。次年度は、高解像度CCDを用いた二次元形状記憶装置を導入して、亀裂長さの測定を行い、高温でのR曲線挙動を測定可能にする予定であり、そのためのプログラムの作成を行っている。
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