研究課題/領域番号 |
08555160
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
貝沼 亮介 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20202004)
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研究分担者 |
小高根 正昭 日本高周波鋼業(株), 技術開発室, 開発室長(研究職)
町田 正弘 神戸製鋼(株), 赤石工場生産技術室, 技術室長(研究職)
大沼 郁雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20250714)
大谷 博司 東北大学, 学際科学研究センター, 助教授 (70176923)
石田 清仁 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20151368)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 浸炭 / 鉄鋼材料 / Fe-V-MoーC系 / 計算状態図 / CDC法 / 耐摩耗材料 / 高速度鋼 |
研究概要 |
Ti,V,Mo,W等の炭化物形成元素を有する鋼を浸炭、焼入れして、MC型やM_6C型の硬質炭化物を析出させるCDC法は、多量の炭化物を非常に微細にかつ均一に析出させる事によって表面硬度を上昇させ、耐摩耗性の向上を図ることができ、新しい高速度鋼作製プロセスとして期待されている。本研究では、この方法により鉄鋼材料としての硬さの壁であるビッカース硬さ1000以上の極めて硬い材料を得るための組織制御とその製造プロセスの確立を目的とし、以下のような結果を得た。 (1)合金設計の基礎であるFe基多元系の相平衡を精度良推定するために、Fe-C及びFeーN基系状態図の実験及び熱力学的解析を行った。その結果、Fe-V-MoーC系を始めとした多元系における相平衡を瞬時に計算できる体勢が確立した。(2)(1)で確立した計算状態図に基づき、Fe-V-MoーC系の浸炭過程での組織変化(析出相の結晶構造、体積分率、組成等について)をシミユレートした。その結果を用いて様々な組成を有するFe-V-MoーC系合金を溶解・作製し、平衡化熱処理を行い、炭化物の体積分率、サイズ、形状、分布状態や基地相の炭素濃度を測定した。その結果、MoとVの成分比と炭素濃度が、炭化物の形状や大きさを支配する重要な因子であることを見出した。(3)以上の基礎研究の結果に基づき、適正な合金設計を行ったところ、目標通りビッカース硬さ1000程度の材料が得られた。 以上より、本材料は金型用材料及びコンバインカッター用材料等の用途が有望であることが判明した。現在共同研究の企業において試作材の作製がなされている。
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