研究課題/領域番号 |
08555172
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石川 順三 京都大学, 工学研究科, 教授 (80026278)
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研究分担者 |
後藤 康仁 京都大学, 工学研究科, 助手 (00225666)
辻 博司 京都大学, 工学研究科, 助手 (20127103)
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キーワード | 負イオン注入 / 粉体 / 粒子飛散 / チャージアップ / 無帯電 / 微粒子 / 表面解質 / 触媒 |
研究概要 |
本年度では、以下の研究を行った。 1.微粒子負イオン注入チャンバーを購入して、既存の負イオン注入装置に組み込み、静止状態および振動状態にある微粒子粉体に負イオンビームを注入できるように装置を整備した。 2.ミクロンからサブミリ径の粉末に垂直上方向からイオン注入した場合、正イオン注入では粒子が帯電して粉末粒子が飛散する。この現象に関して、帯電によるクローン反発力が飛散させる力であり、静止状態ではファンデアワールス力と重力が飛散を抑える力であり、また、振動状態ではファンデアワールス力はほとんど無視でき、重力だけが、飛散を抑える力えある。このような力のバランスを理論的に解析し、粒子が飛散する限界帯電電圧と粉体の粒径依存性を求めた。 3.平均粒径が10μm〜1mmまでの各種の球状シリカやソーダガラスの微粒子にアルゴン正イオン注入実験を行い、飛散開始の帯電電圧を測定した。その結果、上記で求めた理論式が正しいことが判明した。 4.組み上げた負イオン注入装置を用いて、静止状態および振動状態での微粒子に20nAで20keVの一酸化ボロン負イオン(BO^-)を注入した。その結果、平均粒径が10μm〜1mmまでの各種の球状シリカやソーダガラスの微粒子は、静止状態および振動状態の何れの場合も飛散は観測されなかった。負イオン注入では、帯電が極めて少ないため、飛散が生じないと結論される。
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