研究課題/領域番号 |
08555176
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研究種目 |
基盤研究(C)
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
斉藤 秀俊 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (80250984)
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研究分担者 |
大塚 智雄 アルプス電気(株), 電子部品事業本部, 研究員
飯塚 雅博 アルプス電気(株), 電子部品事業本部, 主任技師
大塩 茂夫 長岡技術科学大学, 工学部, 教務職員 (90160473)
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キーワード | アモルファス膜 / 窒化炭素 / 硬質膜 / 磁気記録ヘッド / パ-マロイ / ECRプラズマCVD / オ-ジエ電子分光法 / 窒素インプランテーション |
研究概要 |
パ-マロイ磁気ヘッドの耐摩耗性表面コーティング膜としてアモルファス窒化炭素膜に注目した。膜とヘッドの密着性を決定する要因が膜の成長初期過程にあると推測し、成長初期における付着性を調査するとともに、磁気テープの走行試験を行なった。 電子サイクロトロン共鳴プラズマ化学析出法で15分間作製された膜の顕微鏡観察によると、研磨処理を予め行なわない基板の上に作製した膜の剥離は見られなかったのに対し、研磨処理基板上では剥離が生じた。なお、この剥離は予め窒素インプランテーション処理を行なった基板上では見られなかった。オ-ジエ電子分光法により深さ方向の組成分析を行なった結果、研磨未処理基板で膜の厚さは10nm,基板の炭素・窒素拡散層の厚さは100nm以上だったのに対し、研磨処理基板で膜の厚さは70nm,基板の炭素・窒素拡散層の厚さは25nmになった。また窒素インプランテーション処理を行なった基板上に膜を作製した試料は良好な付着と70nmの厚さ、さらに十分な拡散層を有していた。基板を研磨することにより、パ-マロイ表面のα相が除去されβ相が表われる。基板温度200℃におけるα相中の窒素および炭素拡散速度はβ相の10^5倍である。したがって上で得た結果はα相およびβ相における原子拡散挙動で十分説明できる。 実際のパ-マロイ磁気ヘッドに100nm程度のアモルファス窒化炭素膜を皮膜しオ-ディオテープの走行試験を行った。その結果、膜は1時間以内に削りとられることがわかった。膜の硬度をさらに増大することが今後の課題である。なお、本研究の結果の詳細についてはホームページ(http://hts.nagaokaut.ac.jp)で公開されている。
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