研究分担者 |
萬代 治文 (株)村田製作所, 多層商品部, 部長
塩盛 弘一郎 宮崎大学, 工学部, 助手 (80235506)
平井 隆之 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (80208800)
土戸 哲明 関西大学, 工学部, 教授 (50029295)
東 純一 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (30144463)
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研究概要 |
前年度の成果に基づき、アフィニティリガンド(トリアジン染料等)を修飾した様々な合成高分子やBSA,CAB,β-galactosidase等の生体高分子,ストレスタンパク質等を,AOT逆ミセル・POPCベシクル内に,種々の条件で可溶化し,またこれらに熱・塩・変性剤添加等により種々のストレスを負荷させて以下の検討を行った。先ず、これら複合会合コロイド系のパーコレーション(会合クラスタ形成)現象を電気伝道度変化などの解析により検討し、会合コロイド界面-可溶化物質間および会合コロイド(分子集合体)間相互作用を評価した。次いで、これら複合会合コロイドの各種ストレス条件下での表面特性・膜流動性・分配抽出特性解析、反応・分離・放出速度解析等から、同様に会合コロイド界面-可溶化物質間および分子集合体間相互作用を評価し、その特異性と共通性について解析を行った。また生体内では、分子シャペロンを始めとする各種ストレスタンパク質とともに、細胞膜が生体高分子との相互作用により構造形成,機能の発現に関与している。そこで、生体膜モデルとしてリポソームを用い、そのモデル細胞膜の流動性、表面疎水性、局所的疎水性、透過性等を多面的に評価するとともに、モデル細胞膜-生体分子間の各種相互作用を評価した。これらの定量的知見を総合して、いずれの現象においても共通する機構として、各生体高分子のストレス負荷による特異的な構造変化と、これに伴う生体高分子間および生体高分子-分子集合体間の静電・疎水相互作用の大きな変化が複合して、一見非常に特異的な生体高分子のリフォールディング(構造形成)や膜透過等が生ずることを明らかにし、これを利用する全く新規なバイオ分離プロセスを構築した。またアルコールや機能性リガンドの添加・複合化が、さらに効果的な分離プロセスやストレス応答型機能材料の開発に有効であることを示した。
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