研究課題/領域番号 |
08555194
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研究種目 |
基盤研究(A)
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
後藤 元信 熊本大学, 工学部, 助教授 (80170471)
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研究分担者 |
大寺 規夫 ライオン株式会社, 食品研究所, 主任研究員
古江 雅彦 ライオン株式会社, 食品研究所, 研究員
広瀬 勉 熊本大学, 工学部, 教授 (40037841)
児玉 昭雄 熊本大学, 工学部, 助手 (30274690)
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キーワード | 超臨界流体 / 圧力スイング吸着 / シトラスオイル / 脱テルペン / シミュレーション / 二酸化炭素 / シリカゲル |
研究概要 |
シトラスオイルは95%以上のテルペン類と5%以下の含酸素化合物、ワックス類よりなり、テンペン類は酸化分解され易くオフフレーバーの原因となるために除去しなければならない。そこで、含酸素化合物に対して吸着選択性を有するシリカゲルを用いた圧力スイング吸着(PSA)法と超臨界二酸化炭素抽出を組み合わせて連続的に分画する新規分離プロセスを開発し、数学モデルを用いてプロセスのシミュレーションを行い、実験結果と比較した。 実験装置は、二酸化炭素に試料を完全に溶解させ、ワックス類を分離するミキシングカラムと2本の吸着塔を有する高圧用PSA装置によりオレンジ油の連続分離を行った。1サイクルは(1)低圧(8.8MPa、313K)おける吸着(テルペン類の回収)、(2)低圧による洗浄(空隙内テンペル類の回収)、(3)昇圧、(4)高圧(19.4MPa、313K)における脱着(含酸素化合物の回収)、(5)減圧(この後(1)の工程に戻るため)の5つの工程により構成され、1塔が吸着工程(1)の時、他の1塔は(2)(3)(4)(5)を行い、これを周期的に繰り返した。得られたオイルはガスクロにより分析した。 脱着工程から得られた製品油中の含酸素化合物の平均濃縮率へのCO2流量比の影響は、脱着工程のCO2流量の増加に伴い濃縮率が増加しおよそ10倍に達しその後は余り影響を受けていない。同じく脱着工程で得られた製品油の収率と含酸素化合物の回収率は流量比の増加にともない含酸素化合物の回収率は60%まで増加しているにもかかわらず、製品油の収率にはあまり影響していない。これらの結果から流量比を増加させることにより、吸着された含酸素化合物を効率的に回収することが可能であると考えられる。また、数学モデルによるシミュレーションの結果は以上の実験結果をよく表していた。
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