研究課題/領域番号 |
08555194
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
後藤 元信 熊本大学, 工学部, 助教授 (80170471)
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研究分担者 |
大寺 規夫 ライオン, 食品研究所, 主任研究員
古江 雅彦 ライオン, 食品研究所, 研究員
広瀬 勉 熊本大学, 工学部, 教授 (40037841)
児玉 昭雄 熊本大学, 工学部, 助手 (30274690)
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キーワード | 超臨界流体 / 二酸化炭素 / 圧力スイング吸着 / オレンジオイル / 脱テルベン / シミュレーション / シリカゲル / 濃縮率 |
研究概要 |
天然の難分離多成分系混合物としてオレンジオイル、レモンオイルのようなシトラスオイルを取り上げ、高度分画を可能とする超臨界流体プロセスを吸着剤を利用し、圧力を操作パラメータとして実現することを目的とし、低圧(8MPa程度)で吸着し、高圧(20MPa程度)で脱着する圧力スイングによる周期的吸脱着プロセスを構築するための研究を行った。前年度からの装置を改良し、各部の温度が測定できるようにし、電磁弁を空気圧作動式弁に取り替えた。実験データを収集、解析し、最適な操作条件を探索すると共に、理論モデルによるシミュレーションにより本プロセスの性能を予測し、評価した。 特に、含酸素化合物の濃縮率、回収率の向上を目標とした。理論モデルでは昇圧及び減圧工程では吸着量分布が凍結されると仮定し、吸着速度式は線形推進力近似を用いた。一方、吸着平衡は多成分系Langmuir式で表し、吸着平衡定数は流体密度に依存するとした。これらの仮定の下に物質収支式をたて、偏微分方程式を修正Euler法で解いた。脱着工程から得られた製品油中の含酸素化合物の平均濃縮率については、流量比の増加および原料濃度の減少に伴い濃縮率も増加し、流量比1.7で濃縮率約25に達し、さらに流量比を増加すると濃縮率は減少した。脱着工程で得られた含酸素化合物の回収率についても同様に流量比の増加に伴い回収率も増加し、60%以上の値が得られた。 各実験条件における理論モデルを用いたシミュレーションの結果から、吸着量の塔内分布を推測し、最適な操作条件を探索する際の指標とすることができた。特に、本年度の解析においてはエッセンシャルオイル中の各成分についての挙動を検討すると同時に、テルペン類と含酸素化合物(アロマ)に分けて、擬2成分系として扱った。実験データとシミュレーションは同様な挙動を示した。
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