研究概要 |
1.反応系実用化のための基礎的検討 シリカ担持酸化バナジウムにアルカリをドープすると反応の有効波長が長波長側にシフトするだけでなく,C-C結合切断が押さえられ,アルカンの部分酸化反応に有効であることが見出さた。アルリイオンと相互作用した固体表面種の構造と励起機構を含めた反応メカニズムについて解析した結果,紫外光照射によりシリカ担体に高分散担持された配位不飽和表面種に励起子が局在化すること,ならびに,表面種事態の光励起だけでなく,反応基質吸着により生成する表面錯合体自体の光励起が起こることが結論した。この表面サイトは反応性に富んでいる一方,逐次的な酸化が起こらないめ,部分酸化反応に適している。アルカリイオンの電子供与性により反応活性種である表面バナジウム酸化物の電子濃度が高まり、アルカン酸化反応の中間体としてラジカル種が示唆された。そのため、イソブタンの酸化反応においてはtert-ブタノールが生成するという酸素原子挿入反応が進行することも見いだした。 2.反応ラインの設計 光触媒反応を連続系で行なうために、微分反応器を含む流通系ラインを設計した。生成物分析をオンライン計測するための分析装置を取付けたものである。性能試験を行なうため、種々のバナジウム酸化物触媒を調製し、プロパンの熱脱水素化反応を検討し、分析条件を整えた。 3.触媒設計のための基礎的研究 触媒効率のよいバナジウム酸化物を設計するために、表面種の量子化学計算を行ない、アルカリ添加の度合い等について解析した。
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