研究概要 |
1)パーオキシダーゼ酵素反応用基質モノマーの合成 ベンジル亜リン酸ジエチルと4-ヒドロキシベンズアルデヒドを基質としてWittig-Honer法により、4-ヒドロキシスチルベンを合成した。4-メトキシベンジル亜リン酸ジエチルとp-アニスアルデヒドからWittig-Honer法により合成した4,4′-ジメトキシスチルベンを三臭化リンにより脱メチル化し4,4′-ジヒドロキシスチルベンを合成した。 2)パーオキシダーゼによる重合反応による抗菌性化合物の合成 上記1)で調製した4-ヒドロキシスチルベンを基質としてリン酸緩衝液中、西洋ワサビ由来のパーオキシダーゼによる酵素反応を行い、抗菌性を有する重合物を得た。質量分析の結果、活性化合物は2量体であることが示唆された。加えて、上記1)で調製した4,4′-ジドロキシスチルベンを基質として同様の反応をおこなったところ、抗菌性を有する重合物が得られた。現在、構造決定を行っている。 3)パーオキシダーゼ重合反応に対する金属イオンの影響の検討 上記パーオキシダーゼ反応条件の最適化を図るために、各種金属イオン添加の影響を検討した。モデル基質としてグアイアコールを用い、Fe(III),Fe(II),Mg(II),Mn(II),Al(III)の影響を検討したところ、Fe(II)を添加した場合、得られる反応物に変化が認められた。現在、得られた化合物を単離精製し構造を確認中である。
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