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1997 年度 実績報告書

高機能性ヒト用ハイブリッド型人工肝臓の開発と前臨床段階の性能評価

研究課題

研究課題/領域番号 08555206
研究機関九州大学

研究代表者

船津 和守  九州大学, 工学部, 教授 (80037960)

研究分担者 阿部 正明  鈴木商館株式会社, 筑波研究所, 所長代理(研究員)
杉町 圭蔵  九州大学, 医学部, 教授 (00038762)
井嶋 博之  九州大学, 工学部, 講師 (10274515)
キーワードハイブリッド型人工肝臓 / ブタ肝細胞スフェロイド / ポリウレタン発泡体 / 多細管PUF充填層 / 温虚血肝不全ブタモデル / 体外循環 / ヒト肝不全血漿 / 血中アンモニア
研究概要

1.ブタ肝細胞球状組織体(スフェロイド)の最適培養条件の検討
親水性ポリウレタン発泡体(PUF)と血清添加培養培地(WilliamsE+10%FBS)を用いることによって,ブタ肝細胞スフェロイドの迅速形成(培養1日目)とアルブミン合成やアンモニア代謝などの高機能発現が少なくとも1週間以上良好に維持された。また,テスト用灌流培養システム(モジュール体積18.8cm^3,細胞量2g)を用いて,モジュールの最適装置条件(固定化細胞密度1.0×10^7cells/cm^3-PUF,モジュール内培地線速度60〜80cm/min)を見出した。
2.ブタ用ハイブリッド型人工肝臓補助システムの構築とその性能評価
上記の結果をもとに,これまでイヌ用として開発してきた体積380cm^3の多細管PUF充填層モジュールを2本使用し,細胞量約65g(生体肝臓の約10%)のブタ肝細胞を充填したブタ用人工肝臓モジュールを作製した。さらに,既存のヒト用体外循環システムを改造し,本モジュールを組み合わせた人工肝臓補助システムを構築した。本システムを温虚血肝不全ブタに適用したところ,延命時間の延長や血中アンモニア濃度上昇の抑制が達成された。ただし,血中アンモニア濃度を肝性昏睡レベル以下に維持できなかったことから,モジュールスケールアップ基準の見直しなど残された問題はあるが,これらの結果から本システムの治療効果への有効性が示された。
3.ブタ肝細胞スフェロイドのヒト肝不全血漿中での機能評価
ブタ肝細胞を充填したテスト用灌流培養システムを使用し,ヒト肝不全中で機能評価を行ったところ,肝性昏睡レベルにあるアンモニア濃度を1時間の内に昏睡レベル以下まで減少させた。これによって,本システムがヒト臨床において良好な治療効果を与えることが示された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 松下 琢: "PUF/肝細胞スフェロイド充填層型人工肝臓のイヌ温虚血肝不全モデルへの適用" 人工臓器. 26巻2号. 455-459 (1997)

  • [文献書誌] 井嶋 博之: "PUF/肝細胞スフェロイド充填層型人工肝臓の薬物誘導肝不全ラットへの適用" 人工臓器. 26巻3号. 719-723 (1997)

  • [文献書誌] K.Funatsu: "Finite Element Analysis of 3-dimensional Flow in Agitated Bioreactors" Animal Cell Technology. Vol.8. 75-82 (1997)

  • [文献書誌] K.Nakazawa: "Prolonged Lidocaine Metabolizing Activity of Primary Hepatocytes with Spheroid Culture Using Polyurethane Foam as a Culture Substratum" Cytotechnology. 24巻3号. 235-242 (1997)

  • [文献書誌] 中澤 浩二: "ヒト臨床を目指したハイブリッド型人工肝臓体外循環システムの開発" 組織培養工学. 23巻8号. 301-306 (1997)

  • [文献書誌] 船津 和守: "ヒト臨床を目指したハイブリッド型人工肝臓補助システムの開発" 生体材料. 15巻6号. 240-247 (1997)

  • [文献書誌] 井嶋 博之: "肝臓病学の最前線" 中外医学社, 6 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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