研究課題/領域番号 |
08555207
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 川崎医療短期大学 |
研究代表者 |
望月 精一 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 講師 (60259596)
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研究分担者 |
片倉 健男 テルモ(株), 人工臓器部門, 主任研究員
松本 健志 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 講師 (30249560)
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 講師 (10152365)
辻岡 克彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30163801)
梶谷 文彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70029114)
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キーワード | 血管内皮由来弛緩因子(EDRF) / 一酸化窒素(NO) / 微細NO電極 / ずり速度 |
研究概要 |
本年度は、摘出イヌ大随動脈(長さ:約5cm)を用いてNOの弛緩作用部位である血管壁中膜平滑筋層内のNO計測を試みた。光学顕微鏡観察下でマイクロマニピュレータを用いて微細NO電極(直径:100μm)を血管壁中膜平滑筋層に刺入した。そして、Krebs-Henseleit緩衝溶液(37℃、pH:7.45)を潅流した。潅流による血管内腔壁上のずり応力がNOの生成量に及ぼす影響を測定するため、潅流速度を広範囲で変化させて(<60ml/min)NO濃度計測を行った。 検討した潅流速度範囲全体で潅流速度の増加に比例してNO生成量(測定電流の定常値)が増大し(n=7,r^2=0.90-0.99,p<0.02)、NO生成量が潅流速度すなわち血管内壁上ずり速度に依存することを認めた。一方、NO合成酵素(NOS)阻害剤のL-NMMAもしくはL-NAを溶解したことから本実験で用いたNO電極が選択的にNOを検出していることを認めた。 さらに血管壁組織内部へ直接刺入することから実験前後での電極の感度の変化の有無を調べた。NOドナーであるSNAPの溶液による検量線実験を繰り返したところ1回の実験の前後での変化はほとんど見られなかったが、複数回の使用では次第に感度が低下する傾向が見られ、また電極先端のコーティングのダメ-ジが見られることもあった。以上の結果から電極は1回の使用のみに限定すべきと判断した。
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