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1997 年度 実績報告書

内皮由来血管弛緩因子(NO)と血管内壁ずり応力の同時計測システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 08555207
研究機関川崎医療短期大学

研究代表者

望月 精一  川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 助教授 (60259596)

研究分担者 片倉 健男  テルモ(株), 人工臓器部門, 主任研究員
松本 健志  川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 助教授 (30249560)
小笠原 康夫  川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10152365)
辻岡 克彦  川崎医科大学, 医学部, 教授 (30163801)
梶谷 文彦  川崎医科大学, 医学部, 教授 (70029114)
キーワード血管内皮由来弛緩因子 / EDRF / 一酸化窒素(NO) / ずり応力 / 微細電極
研究概要

【ラット摘出潅流心】ランゲンドルフ潅流心を対象として緩衡溶液潅流圧を上昇させたところ、冠潅流量増加に伴い冠潅流液中のNO濃度(1pA≒1.5nMNO)が直線的に増加し、冠潅流量とNO濃度との間に正の相関関係を認めた(47±6pA at 40cmH_2O、69±10pA at 70cmH_2O、99±17pA at 100cmH_2O)。また全心虚血後再潅流時の冠潅流液中のNO濃度の経時変化は、1分虚血後では再潅流直後の一過性のピークを、10分虚血後では再潅流直後の一過性のピークとその後の上昇を示した(22±3pA for 1min vs 124±17pA for 10min)。これは、虚血中に蓄積したNOの再潅流によるwashoutと再潅流に伴って上昇する血管内壁上ずり応力によるNOの産生増加が影響していると推測された。
【人工血管】人工血管(テルモ社製PF-V、ゴア社製ePTFE、長さ:約10cm)をイヌ大腿動脈に縫合し一定期間が経過した後、再摘出して人工血管内腔に形成された新生内膜もしくは偽内膜からの生成NO濃度を計測した。1mML-arginineと100μML-NAの潅流時の計測値の差を算出したところ、術後2週間(PF-V:52pA、49pA)、術後1ヶ月(PF-V:45pA、ePTFE:233pA)、術後12ヶ月(顕著な変化なし)、術後13ヶ月(顕著な変化なし)となった。増殖した内皮細胞が数カ月くらいまではNO産生機能を発現するが、1年程度経過した後ではNO産生による生理的機能調節を行う必要がないと判断しNO合成酵素の活性もしくは数が減少し、NO計測値に顕著な変化が見られなかったとの推測もできる。内皮細胞の抗血栓性はNO産生に直接関係しており新生内膜形成による抗血栓性の維持という点では長期経過後では減弱してしまっている可能性もある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yoshiaki Fukuhiro,et al.: "The Ischemic Heart(Chapter 6)" Kluwer Academic Publishers, 624 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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