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1997 年度 実績報告書

酸化バナジウム系湿式塗布膜の金属半導体転移と調光ガラスへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 08555213
研究機関東京大学

研究代表者

工藤 徹一  東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90205097)

研究分担者 井上 敏樹  豊田自動織機, 生産開発研究所, 主任研究員
日比野 光宏  東京大学, 生産技術研究所, 助手 (20270910)
キーワード二酸化バナジウム / 金属半導体転移 / 調光ガラス / 湿式塗布法
研究概要

VO_2は67℃において金属-半導体転移を示すことが知られており、転移に伴い主に赤外領域での透過率が変化するため、調光ガラスとしての応用が期待されている。転移温度はW、Moなどの添加により低下することが知られているが、二種類以上の金属を添加した薄膜試料についての報告はない。前駆体法を用いることで、WとMoをともに含むVO_2薄膜試料の作製が可能となったため、その光学的特性と、転移温度の変化について調べた。
過酸化水素水とバナジウム粉末を直接反応させて得られたポリバナジン酸溶液を出発原料とし、湿式塗布法にて作製したV_2O_5薄膜を、水素中で還元、その後、窒素中で加熱することにより、VO_2薄膜を作製した。同様の方法により、W、Moを添加したVO_2薄膜についても作製し、転移の前後における光学スペクトルの変化及び透過率の温度変化の測定から転移温度を求めた。
転移温度は添加量に比例して低下し、その割合はW、Moそれぞれ1原子%につき18、8.3℃であった。温度上昇下降過程で、波長2500nmでの透過率のヒステリシス幅は約10℃であった。転移は添加量の増加とともに緩慢になるが、添加金属種の違いによるヒステリシスループの形状に大きな違いは見られなかった。WとMoを共に添加した場合、一方の金属種の添加量を固定し、他方の添加量を変化させると、転移温度の低下の割合は、W、Moそれぞれ1原子パーセントにつき19、8.7℃であり、添加金属種が複数であっても、転移温度を下げる効果には影響を与えないことが判明した。これらの試料についても、添加量が増加すると転移が緩やかになるという傾向が見られた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] I.Takahashi, et al.: "Thermochromic V_<1-x>W_xO_2 thin films prepared by wet-coating using polyvanadate solutions" Japanese Journal of Applied Physics. 35. L438-L440 (1996)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2014-02-27  

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