研究課題/領域番号 |
08555216
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研究種目 |
基盤研究(A)
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
古市 隆三郎 北海道大学, 工学部, 教授 (40001200)
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研究分担者 |
馬淵 勝美 (株)日立製作所, 日立研究所, 研究員
佐伯 功 北海道大学, 工学部, 助手 (50235090)
田村 紘基 北海道大学, 工学部, 助教授 (10002023)
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キーワード | 酸化物 / 表面水酸基 / イオン交換 / 混合酸化物薄膜 / 光電流 / 酸化 / 陽性酸化 / 耐食性 |
研究概要 |
1.酸化物表面の酸塩基特性 酸化物表面の酸化物イオンは水溶液中では水酸基化し、酸型水酸基と塩基型水酸基を生成する。酸型水酸基は陽イオンと-塩基型水酸基は陰イオンとイオン交換するサイトとなる。二酸化マンガン、ルチル型酸化チタン、マグネタイト、ガンマ型アルミナについて、水酸基の解離反応をモデル化し、それに基づき水酸基の解離平行定数を理論計算し、4種のアルカリ金属イオン(Li、 Na、 K、 Cs)について実測の交換反応挙動を良く説明できることを明らかにした。 2.酸化チタンと酸化タングステンの混合酸化物薄膜の光電気化学挙動 金属チタン基盤にタングステンを真空蒸着した後、1073Kと1173Kで酸化することにより、TiO_2-WO_3混合酸化物薄膜を合成した。高電流は、薄膜のタングステン両の増加とともに大きくなり、酸化物を作るときの酸化温度が高い程大きくなった。SEM、 XPD、 XPSによるキャラクタリーゼーションにより、タングステンが薄膜の深さ方向に均一に分布しており且つその量が多いことが大きな光電流発生条件となることが結論された。 3.アルミニウムの2段階陽極酸化プロセスによる高耐腐食性薄膜の皮膜 アルミニウム表面を、(1)クロム酸ーリン酸溶液で処理した後、(2)硫酸中で陽極酸化する。この二つのプロセスにより、3価のクロムと燐酸イオンを含む、多孔性のアルミニウム複合酸化物薄膜が形成される。この薄膜は塩化物イオンを含む系における下地アルミニウムの耐孔食性に優れ、薄膜自身の硬度も大きいことが明らかとなった。本方法は他の種類の複合酸化物薄膜の調整にも利用できることが期待できる。
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