研究課題/領域番号 |
08555218
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研究種目 |
基盤研究(A)
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
横尾 俊信 京都大学, 化学研究所, 教授 (90158353)
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研究分担者 |
林 紅 京都大学, 化学研究所, 助手 (10283665)
内野 隆司 京都大学, 化学研究所, 助手 (50273511)
幸塚 広光 京都大学, 化学研究所, 助教授 (80178219)
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キーワード | 3次非線形光学ガラス材料 / 鉛オキシハライドガラス / ガラス化範囲 / THG法 / Z-scan法 / 動径分布解析 / 共有結合性 / 状態密度 |
研究概要 |
申請者らが最近発見したPbO-PbI_22成分系ガラスのχ^<(3)>をさらに高めるため、そして化学的耐久性を向上させるためにPbBrP_2を加えたPbO-PbI_2-PbBr_23成分系のガラス化範囲をまず確立した。次いで現有設備を用いたTHG法により3成分系ガラスのガラスのχ^<(3)>を測定した。その結果、20PbO・70PbI_2・10PbBr_23成分系ガラスは、現在まで知られている非共鳴ガラス材料の中で最も高い値χ^<(3)>=2.0x10^<-11>esuを示すことを見出した。しかもこのガラスは3成分とすることによりガラスの安定性、化学的耐久性も著しく向上した。また、そのような高いχ^<(3)>を示す原因を明らかにするために、X線動径分布解析とペアファンクション法によりガラスの構造解析を行った。その結果、Pb-I結合およびPb-Br結合はガラス中に均一に分布しており、またそれらの結合は結晶中より短く、かなり共有結合性に富んでいることが明らかとなった。すなわち、Brの4p軌道とIの5p軌道が重なり合う結果HOMOの状態密度(DOS)が増加したためと考えた。 今後、主要設備である波長可変レーザを用いてこれらのガラスのχ^<(3)>を500nm〜2.0μmの広い波長範囲で波長の関数として測定する。χ^<(3)>の測定には第三高調波発生(THG)とZ-scan法の両者を併用して3次の非線形光学感受率の実部、虚部を評価する。得られた結果に基づいてこれらガラスの非線形光学効果のメカニズムを議論する。
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