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1998 年度 実績報告書

P-450酵素型酸化触媒反応の開拓と有機合成への応用

研究課題

研究課題/領域番号 08555223
研究機関大阪大学

研究代表者

村橋 俊一  大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (60029436)

研究分担者 織田 佳明  住友化学工業技術室, 研究員(研究職)
高谷 光  大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (50304035)
小宮 成義  大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (00301276)
今田 泰嗣  大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (60183191)
直田 健  大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (20164113)
キーワードアルカンの酸化 / シクロヘキサンの酸素酸化 / 第3アミンの酸化 / アミドの酸化 / ルテニウム触媒 / 銅触媒 / 過酸化物酸化
研究概要

オキソ金属活性種によるP-450酵素型の触媒的変換反応の開拓とそれに基づく工業プロセス開拓と精密有機合成への展開を目的として、前年度に引き続き低原子価金属錯体触媒と過酸化物によるP-450酵素型酸化反応の一般性と適用範囲の検討を行った。ルテニウム触媒存在下、種々の第3アミンやアミドをアルキルヒドロペルオキシドで酸化することにより窒素のα位にアルキルジオキシ基を導入する生合成型の酸化反応を見いだしているが、この応用として炭素求核剤の存在下に同様の酸化反応を行い一段階で窒素のα位に炭素官能基を導入する新反応の開拓を検討した。その結果、ルテニウム錯体一過酸化物を用いる酸化触媒系に求核剤としてシアノシランやシアン化ナトリウム等を求核剤に用いることにより、アミンやアミドの不活性な窒素のα位にシアノ基を導入する新型の酸化的炭素-炭素結合形成反応を見いだした。また、前年度に見いだされた4-アルキルフェノールのアルキルヒドロぺルオキシドによる酸化で、4位にアルキルジオキシ基を有するジエノン体を得る新反応の合成的応用に関する検討の結果、生成物はルイス酸の存在下にアルキル基の位置選択的転移と酸素一酸素結合の解裂により、置換キノンを選択的に与えることを見いだした。これにより入手容易なフェノールから合成的有用性の高い置換キノンの直接合成が可能になった。
上記の研究過程から見いだされた分子状酸素とアルデヒド存在下、低原子価遷移金属錯体からオキソ金属活性種を発生させる手法を用い、炭化水素の酸素酸化反応について実用的な観点から触媒効率や選択性の検討を行った。その結果、シクロヘキサンからシクロヘキサノンへの変換が、フッ素置換フェニル基を有するルテニウムポルフィリン錯体や銅-クラウンエーテルを触媒に用いた場合に、1気圧の酸素雰囲気下、極めて高い選択性と触媒効率で行えることが明らかになった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Takeshi Naota: "Ruthenium-Catalyzed Reactions for Organic Synthesis" Chem.Rev.98. 2599-2660 (1998)

  • [文献書誌] Hikaru Takaya: "Iridium Hydride Complex Catalyzed Addition of Nitriles to Carbon-Nitrogen Triple Bonds of Nitriles" J.Am.Chem.Soc.120. 4244-4245 (1998)

  • [文献書誌] Shun-Ichi Murahashi: "Synthesis of (R)- and (S)-3-(tert-Butyldimethylsilyloxy)-1-pyrroline N-Oxides-Chiral Nitrones for Synthesis of Biologically Active Pyrrolidine Derivative,Geissman-Waiss Lactone" Tetrahedron Lett.39. 2765-2766 (1998)

  • [文献書誌] Takahiro Hosokawa: "Palladium-Copper-DMF Complexes Involved in the Oxidation of Alkenes" J.Organometal.Chem.551. 387-389 (1998)

  • [文献書誌] Naruyoshi komiya: "New Types of Catalytic Oxidations in Organic Synthesis" Catal.Today. 41. 339-349 (1998)

  • [文献書誌] Naruyoshi Komiya: "Manganese Catalyzed Asymmetric Oxidation of Alkanes to Optically Active Ketones Bearing AsymmetricCenter at the a-Position" Tetrahedron Lett.39. 7921-7924 (1998)

  • [文献書誌] Shun-Ichi Murahashi: "Reactive Organometallics" Kodansha Scientific,Tokyo, 554 (1998)

  • [文献書誌] Shun-Ichi Murahashi: "Transition Metals for Organic Synthesis" VCH,Weinheim, 373-383 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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