研究課題/領域番号 |
08555230
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
小林 修 東京理科大学, 理学部, 助教授 (50195781)
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研究分担者 |
山本 喜博 三井化学, 総合研究所, 主任研究員
椎名 勇 東京理科大学, 総合研究所, 講師 (40246690)
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キーワード | ルイス酸 / ランタノイド / 界面活性剤 / ハフニウム化合物 / Friedel-Craftsアシル化反応 / 高分子触媒 / マイクロカプセル |
研究概要 |
ルイス酸触媒を用いる合成反応は、様々な高付加価値化学品の製造に欠くことのできない重要なプロセスになっており、現在、化学工業はもとより、製薬、農薬、食品工業などにおいてもいろいろな工程で汎用されている。しかし一方、これらの反応では多くの場合大量のルイス酸触媒が必要とされ、また有害な有機溶媒を用いるため、反応終了後の触媒や溶媒の処理が環境汚染につながり大きな社会問題になっている。本研究は上記問題の抜本的解決を図ることを目的とし、ランタノイド触媒を基盤として、触媒の修飾、改良により、回収、再使用可能でしかも有毒な有機溶媒を使用する必要のない新規ルイス酸触媒の工業レベルでの実用化を目指し検討を行った。 1.これまで筆者らは、水溶液中での炭素-炭素結合生成反応の開発を行ってきたが、反応を円滑に進行させるためには水にある程度の有機溶媒を混合する必要があった。今回、少量の界面活性化剤を用いることにより,有機溶媒を全く用いない新しい反応系を開発することができた(小林、椎名)。 2.ルイス酸-界面活性剤一体型の触媒を開発し、これを用いる有機溶媒を全く用いない水中での炭素-炭素結合生成反応を開発した(小林、椎名)。 3.昨年度の研究により興味深い特性を見い出した第四族元素であるジルコニウム、ハフニウム化合物についてさらに研究を重ね、ハフニウム化合物を用いるFriedel-Craftsアシル化反応において、不活性なベンゼン、クロロベンゼンを初めて反応に用いることが可能になった(小林、山本)。パイロットスケール、実用化への検討も開始した(山本)。 4.全く新しい触媒の高分子上への固定化法として「マイクロカプセル化」を開発した。従来法に比べ、導入が遙かに容易でありしかも高分子上への固定化による触媒活性の低下はほとんどない。また、回収性、再使用性とも非常に優れていることを明らかにした(小林)。
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