研究課題/領域番号 |
08555230
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 東京大学 (1998) 東京理科大学 (1996-1997) |
研究代表者 |
小林 修 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (50195781)
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研究分担者 |
山本 喜博 三井化学, 総合研究所, 主任研究員
椎名 勇 東京理科大学, 総合研究所, 講師 (40246690)
眞鍋 敬 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (00251439)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | ルイス酸 / ランタノイド / 界面活性剤 / ハフニウム化合物 / Friedel-Craftsアシル化反応 / マイクロカプセル / 高分子触媒 / bening synthesis |
研究概要 |
ルイス酸触媒を用いる合成反応は、様々な高付加価値化学品の製造に欠くことのできない重要なプロセスになっており、現在、化学工業はもとより、製薬、農薬、食品工業などにおいてもいろいろな工程で汎用されている。しかし一方、これらの反応では多くの場合大量のルイス酸触媒が必要とされ、また有害な有機溶媒を用いるため、反応終了後の触媒や溶媒の処理が環境汚染につながり大きな社会問題になっている。本研究は上記問題の抜本的解決を図ることを目的とし、ランタノイド触媒を基盤として、触媒の修飾、改良により、回収、再使用可能でしかも有毒な有機溶媒を使用する必要のない新規ルイス酸触媒の工業レベルでの実用化を目指し検討を行った。その結果まず、ランタノイド触媒を用いるFriedel-Craftsアシル化反応、Fries転位反応、o-アシル化反応を開発し、さらに、ハフニウム化合物を用いる不活性なベンゼン、クロロベンゼンのFriedel-Craftsアシル化反応を初めて実現した。一方、ナフイオン上にスカンジウムを固定化した新規高分子固定化スカンジウム触媒を開発し、種々の炭素一炭素結合生成反応において有効に作用することを見い出した。また、ポリアクリロニトリルから新規高分子固定化スカンジウム触媒を合成し、この触媒が含窒素化合物の活性化に有効に働き、キノリン、アミノケトン、アミノニトリル合成の優れた触媒となることを見い出した。さらに、全く新しい触媒の高分子上への固定化法として「マイクロカプセル化」を開発した。従来法に比べ、導入が遙かに容易でありしかも高分子上への固定化による触媒活性の低下はほとんどない。また、回収性、再使用性とも非常に優れていることを明らかにした。一方、ルイス酸ー界面活性剤一体型の触媒を開発し、これを用いる有機溶媒を全く用いない水中での炭素ー炭素結合生成反応を開発した。また、水中で安定なルイス酸触媒の検索を行い、希土類、鉄、銅、亜鉛、カドミウム、鉛を見い出し、これらの元素(カチオン)に共通する性質として、加水分解定数および内圏配位水の交換速度との関連を明かにした。
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