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1997 年度 実績報告書

有機遷移金属錯体を用いる新規なカルボニル化及びダブルカルボニル化反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 08555231
研究機関早稲田大学

研究代表者

山本 明夫  早稲田大学, 理工学研究科, 教授 (30016711)

キーワードパラジウム錯体触媒 / カルボニル化反応 / ベンジルパラジウム錯体 / 酸化的付加 / 還元的脱離 / フェニルアセチルパラジウム錯体 / エステル / ジケテン
研究概要

昨年度、ベンジルアルコール類を基質としたカルボニル化反応の開発に成功したことを踏まえ、その反応中間体のモデル化合物として、いくつかの有機パラジウム錯体を合成した。これらの錯体の化学的性質を明らかにすることにより、反応機構に関する知見を得るとともに、カルボニル化反応の適用範囲を広げることができると期待される。一酸化炭素加圧下、ベンジルパラジウム錯体[Pd(CH_2Ph)(X)(PPh_3)_2](X=Cl,I)とジエチルアミンとの反応を検討したところ、対応するカルボニル化、ダブルカルボニル化生成物であるアミドおよびケトアミドが得られた。この結果はハロゲン化ベンジルの触媒的ダブルカルボニル化反応が実現できる可能性を示唆するものである。また、新たに1分子のホスフィン配位子を支持配位子とする、フェニルアセチルパラジウム錯体[Pd(COCH_2Ph)(Cl)(PPh_3)(NHEt_2)]を合成し、その塩基性条件下でのアミン、アルコール類との反応を試みたところ、対応するアミド、エステル類が生成することを見い出した。その反応機構について詳細に検討したところ、エステル類はベンゾイル(エトキシ)錯体からの還元的脱離反応により生成することが明らかになった。
一方、カルボニル化反応における基質の適用範囲を広げることを目的として、カルボニル化反応の素反応の第一段階である、有機分子の結合開裂反応(錯体への酸化的付加反応)を種々検討した。その結果、電子吸引性置換基を有する酢酸アリールエステルや、環状エステルであるジケテンの炭素-酸素結合が低原子価パラジウム錯体により開裂し、酸化的付加反応が進行することを見い出した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Y.-S. Lin and A. Yamamoto: "Palladium-Catalyzed Carbonylation of Benzyl Alchol and Its Analogs Promoted by HI in Aqueous Systems" Tetrahedron Lett.38・21. 3747-3750 (1997)

  • [文献書誌] Y. Kayaki, I. Shimizu, and A. Yamamoto: "Comparison of the Reactivities of Neutral and Cationic Organopalladium Complxes toward CO, Isocyanides, and Olefins" Bull. Chem. Soc. Jpn.70・4. 917-927 (1997)

  • [文献書誌] Y.-S. Lin and A. Yamamoto: "Direct Carbonylation of Benzyl Alchols and Its Analogs Catalyzed by Palladium and HI in Aqueous Systems and Mechanistic Studies" Bull. Chem. Soc. Jpn.71(掲載予定). (1998)

  • [文献書誌] 榧木啓人、山本明夫: "触媒活性種モデルとしての有機パラジウム錯体の合成と反応性" 有機合成化学教会誌、. 56・2(掲載予定). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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