研究課題/領域番号 |
08555235
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
西久保 忠臣 神奈川大学, 工学部, 教授 (20120967)
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研究分担者 |
西野 秀夫 (株)三宝化学研究所, 開発部, 取締役(研究職)
亀山 敦 神奈川大学, 工学部, 助手 (80231265)
中村 茂夫 神奈川大学, 工学部, 教授 (10011008)
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キーワード | 光エネルギー変換 / NBD化合物 / 高分子材料 / 合成 / 光反応性 / 耐久性 / 蓄熱量 |
研究概要 |
本研究は、将来のエネルギー事情に鑑み、太陽エネルギーの有効利用の観点から、光エネルギー変換・蓄積機能を有する分子内にノルボルナジエン(NBE)残基を持った高分子材料の開発を目的として行ったものであり、本年度の研究成果は以下の通りである。 これまでの研究成果から、優れた光反応性と蓄熱量を有することが知られている、3-フェニル-2、5-NBD-2-カルボン酸(PNCA)の合成研究について詳細に検討を行い、この化合物がベンチスケールでも比較的高収率で合成できることを明らかにした。このことから、試験研究レベルでのPNCAの供給が可能となり、側鎖にPNCA残基を持った光エネルギー変換・蓄積機能高分子の大量合成と、その機能、物性、および耐久性の評価が可能となった。また、光化学反応熱量計の設置により、合成されたPNCA残基を持った高分子材料の蓄熱特性の解明が可能になった。その結果、高分子側鎖にPNCA残基を有する高分子材料は、いずれも優れた光反応特性と蓄熱特性(約92KJ/mol)を示す事が明らかになった。しかし、長期間の光照射下ではその反応により生成したクワドリシクラン残基が、副反応を起こすためにPNCA残基を有する高分子材料の蓄熱特性は次第に低下することも判明した。 さらに、高性能の光エネルギー変換・蓄積機能性高分子の合成を目的として、2、5-NBD-2、3-ジカルボン酸とビスエポキシ化合物との重付加反応により主鎖にNBD残基を有するポリエステルの合成とその化学修飾による高性能化、および2、5-NBD-2、3-ジカルボン酸無水物と芳香族ジアミン類との付加反応による分子内に2個のNBD残基を有するNBDジカルボン酸誘導体の合成とその高分子材料化についても研究を行った。その結果、単位重量当りの優れた蓄熱量を有する高分子材料が得られた。
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