研究概要 |
二年計画の初年度の今年は,計画にしたがってつぎの研究を進め,成果を得ている。 1 本研究者らはこれまで衣服材料として優れた風合を持つ布地の客観評価法を開発してきたが,これらをまとめて再検討し,(1)優れた風合(2)着やすさ(3)仕立て映えの 3つの性能評価に集約して,これらを短時間に評価でき、リアルタイムで検討できるソフトウエアを作製した。 2 評価に使う布力学特性の自動測定システムを開発し,先のソフトウエアと連結して実用可能な状態にした。 3 上記の(1)〜(3)の性能を満足する理想布に近い布地15点を見いだし,客観評価で点検しながら理想にちかずける試みを開始した。現在は再現性の検討を行っているが,ちかく理想布が再現性良く製造できる見込みがたった。 4 次年度は本評価システムを最大限に応用してス-ツ地を中心にいくつかの理想布を実現させ,安定した製造を可能にする。 5 なお,本研究に対して,英国の高級服地産地のブラッドフォード・ハダ-スフィールド地区の織物メーカーグループの研究協力申し出,ニュージランド羊毛研究所長キャナビ-博士を中心としてニュージランド羊毛関係機関の協力申し出があり,国際的な研究協力に発展している。 なお,研究の性格上,主たる研究発表は次年度になるが,関連論文を1,2示した。
|