研究課題
基盤研究(A)
本研究は、沿岸海域の空間利用、水産、海洋レジャーなどの目的で求められる浮遊式消波装置の開発に関するものであるが、比較的大水深域での利用を対象としている。消波装置としての性能については、消波効率が良いことが第一に上げられるが、それとともに消波装置の位置保持および荒天下における安全性を考えると係留装置が重要となってくる。今年度は特に、波浪中の水中翼が発生する推力によって波漂流力を打ち消すことを考え、消浪効率が良くかつ係留力がほとんどゼロとなる浮遊式消波装置について理論的、実験的に調査した。翼形としては4種類の厚さのNACA対称翼について、没水深度および迎角を変化させて波浪中実験を行い、翼に加わる流体力および定常力を計測した。また、前進速度がない場合のクッタ条件を考えるために翼周りの流れ場の可視化実験を行った。その結果、前進速度がない場合にも翼の周りには定常流が誘導されており、タック条件により翼後端から渦の放出が行われていることが分かった。また、渦格子モデルによる三次元計算プログラムの開発を行った。薄翼理論ではあるが線形自由表面影響を考慮した3次元翼の流体力計算が可能となった。これによって、水中翼と穴あき平板を組み合わせた3次元模型を設計、制作し水槽実験を行った結果、アスペクト比による3次元影響などが明らかとなった。
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