研究概要 |
1 研究の背景・目的:原位置地圧測定法については,我が国において特に活発な研究開発が進められ,硬岩に対しては実用性が高い方法が各種提案されている。しかし,比較的軟弱な岩盤内での地圧計測法は開発途上といえる。 本研究では,U.S.Bureau of MinesのDr.Luらによって開発された軟弱岩盤における地圧測定法,すなわち,「2種類の油圧セルを組み合わせた地圧測定法」に着目した。この方法は未だ我が国が導入されていないので,この方法の導入・実用化を目的に,基礎試験および現場適用予備試験を行った。 2 研究経過:平成8年度は,本研究の初年度であり,次の手順で研究を進めた。 (1)油圧セルおよび油圧負荷ユニットの準備,模擬地圧負荷試験。 (2)計測孔の穿孔用ボールング装置の導入,油圧セル挿入補助具等の開発,計測手順の検討。 (3)原位置試験の予備実験;予備実験は凝灰岩の地下採石場において実施した。 3 予備実験結果:地圧測定結果は想定された値より小さかった.また,計測孔の穿孔から油圧セル挿入までの時間および手順,挿入方法等に検討課題が残った。さらに,より,き裂の多い岩盤内に計測孔が穿孔可能か,その孔に油圧セルを所定の位置まで挿入可能か等の検討課題が確認された。 4 平成9年度(継続)の計画:平成8年度において基本的な計測システムが構成でき、一応地圧数値を取得できた。平成9年度では予備実験において検討課題とされた点の検討・改良を行い,上記採石場と炭鉱抗内(太平洋炭坑(株)釧路鉱業所を予定」において原位置計測を行い,実用化の可能性については結論を得る計画である。
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