研究課題/領域番号 |
08555257
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研究種目 |
基盤研究(A)
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
日下 英史 京都大学, エネルギー科学研究所, 助手 (60234415)
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研究分担者 |
新苗 正和 京都大学, 工学研究科, 助手 (50228128)
福中 康博 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授
中廣 吉孝 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (10026015)
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キーワード | 液-液抽出 / 微粒子 / 活性化 / オキシン / 吸着 |
研究概要 |
まず、油-水-固体3相系の界面現象を利用した分離法における活性・抑制現象を把握するために、シリカゾルを対象として液-液抽出法を適用し、捕収剤SDSを添加した系におけるにシリカの金属塩による活性効果について検討した。また、その結果に対する熱力学的な考察を併せて行うことによって、シリカ粒子活性化に関与する各種物理化学的因子について検討した。その結果、3価金属イオンを含むSDS溶液中においてシリカ粒子の液-液抽出回収率は、あるpH域で著しく増大することが確かめられた。酸性側の活性化は、金属水酸化物錯イオンの特異吸着及び金属水酸化物沈殿のヘテロ凝集によること、アルカリ性側の活性化の消失は金属水酸化物沈殿-シリカ粒子間の静電的斥力が原因であることなどを界面化学的に考察した。 次いで、油溶性捕収剤の効果を把握するために、代表的なキレート試薬であるオキシンを含むイソオクタンを油相として用いた液-液抽出法による微粒ヘマタイトの回収を試みた。その結果、10mMの添加濃度ではpH3〜11の広いpH領域でヘマタイト回収率が極大となることが認められた。オキシン分子の分配現象、オキシンのヘマタイトへの吸着現象並びに液-液抽出回収率との相関性を検討したところ、油が添加された系においてもオキシンのヘマタイトへの吸着現象が液-液抽出回収率と密接に関与していることが確かめられた。さらに、本吸着現象は、捕収剤分子の油-水系での分配を考慮したSurface Complexation Modelにより上記液-液抽出挙動をうまく説明できることを指摘した。
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