研究課題/領域番号 |
08556003
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中嶋 博 北海道大学, 農学部附属農場, 教授 (40001474)
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研究分担者 |
平田 聡之 北海道大学, 農学部附属農場, 助手 (60281797)
中辻 浩喜 北海道大学, 農学部附属農場, 助手 (90217761)
由田 宏一 北海道大学, 農学部附属農場, 助教授 (90001479)
松田 従三 北海道大学, 農学部, 教授 (50002069)
寺澤 實 北海道大学, 農学部, 教授 (50003124)
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キーワード | コンポスト / 好気性発酵 / 生ゴミ / 有機性廃棄物 / 堆肥 / 環境保全 / 持続的農業 |
研究概要 |
微生物分解型生ゴミ処理装置(静岡精機製EC500X型)により製造されたコンポストを2年間圃場に施与し、作物(春播きコムギとアズキ)の生育・収量に及ぼす影響を調査した。初年(1997)の施与時期(播種2週間前、播種直前)と施与量(2,4,8kg/m^2)を組み合わせた実験結果によると、コムギの収量は慣行施肥区に比べて、直前施与区で同程度、2週間前施与区で平均14%増となり、施与量の影響は小さかった。一方、アズキの収量は出芽阻害が起こった直前8kg施与区を除くすべての区で慣行施肥区を上回り、2週間前施与では施与量が多いほど多収となった(8kg区で約50%増)。1998年には前年の圃場を十分に攪拌混合した後、播種2週間前に4kgおよび8kgを投与し栽培実験を行った。その結果、コムギの収量は8kg施与区で慣行施肥区よりやや劣り、4kg施与で5%増であった。アズキにおいては前年と大きく異なり、4kg施与区の収量は慣行施肥区と変わらず、8kg施与区では49%の減収になった。減収の要因は出芽不良と根粒菌着生阻害であり、後者については茎溢泌液の相対ウレイド量の減少によっても確認された。 栽培実験と並行して行った土壌調査によると、コンポスト施与は表層(15cm)の保水力をやや高めたものの、3相構造にはほとんど影響しなかった。土壌pH、EC、および土壌微生物量の指標となるATP含量はコンポスト施与によりすべて増加し、地温(15cm)が常に1〜2℃高く経過した。 以上の結果より、今回用いた生ゴミを原料とするコンポストは、圃場に適時・適量投与することで土壌の保温・保水性を増加させ、また肥料効果も期待できると推察された。但し、作物によって反応は異なり、とくにマメ科への多量施与は高pHや窒素過多によって根粒着生阻害を起こすので十分に注意する必要があろう。
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