研究概要 |
光と水温を制御した四季のシミュレーション環境でニジマス小個体群の自発摂餌の日周パターンの周年変化について調べたところ,どの月もすべて明期に摂餌し,摂餌パターンは基本的に7型((1)日の出+全体型,(2)双峰型,(3)日の出型,(4)日の出+日没型,(5)全体型,(5)前半型,(7)後半型)に分類できた.(1)と(2)はどの月にも出現する傾向がみられた.(3)と(4)は冬季以外に出現した.(5),(5),(7)はほとんど冬季に出現した.一方,ニジマスの自発摂餌を制御する生物時計についてメラトニンを指標として眼球での局在を調べたところ,生物時計の存在する可能性は小さいと考えられた.(田畑満生,竹内俊郎) ブリを自発摂餌と手撒き給餌で飼育し,摂餌パターン,摂餌量および残餌量を調べた.自発摂餌の日周パターンは,明期摂餌型、薄明時型、明期から暗期への移行摂餌型が観察された.日間摂餌量は自発摂餌と手撒き給餌の両者間で有意差は認められなかった.残餌量は明期摂餌型が最も少ない(1.9%)ことから,明期のみに制限した自発摂餌を行えば残餌の削減に有効と考えられた.(日高磐夫) マダイを自発摂餌と定量自動給餌で飼育し、成長、残餌量について調べた.自発摂餌と定量自動給餌では成長に大差はなかったが、残餌率は自発摂餌が5-10%であるのに対し、定量自動給餌では10-30%とその差は明白であった.現在、さらに効率的な自発摂餌の方法を検討するために自発摂餌ができる時間を制限する実験を今春までの予定で継続中である.(会田勝美) 稚魚にも適用できることを目的に光ファイバーの自発摂餌センサーを作成した.2種類の光ファイバー(赤色,緑色)を用いたところ摂餌センサーとして利用できることが確認できた.また,センサーの検出領域について実験し,マダイへ適用することを検討中である.(市川眞祐)
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