研究課題/領域番号 |
08556035
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
八木 宏典 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00183666)
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研究分担者 |
木南 章 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00186305)
柏 雅之 茨城大学, 農学部, 助教授 (40204383)
能美 誠 鳥取大学, 農学部, 助教授 (00202250)
斉藤 修 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40144894)
秋山 邦裕 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (20167852)
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キーワード | 農業経営管理 / 意思決定支援システム / 管理手法の体系化 |
研究概要 |
今年度は、本研究プロジェクトの最終年度として、主としてこれまでの研究の成果を整理し、報告書取りまとめに取組んできた。なお、去る3年間にわたって行われてきた代表的な経営者を対象とした経営実態調査の中からデータを整理しつつ、必要に応じては補足調査も積極的に行い、意思決定支援システムの完成度を高めようと勤めた。 一般に、経営における意思決定においては、経営の目標が具体化され実施に至るまで様々な関連情報が必要となる。そして意思決定者は、これら情報をいくつかの代替案に吸収し、各案の評価の結果に基づいて選択された案を実施するのである。研究活動から得られた研究の成果に基づいて、農業経営管理における意思決定の際に最も考慮すべき事項を以下にまとめる。 第一に、農業経営における意思決定のプロセスは、当該経営に必要される営農の物理的なプログラムからはじまる。土地利用型農業については、現在導入している作物のほか事業領域、作業面積(または時間、処理量)と労働力の確保状況などが、営農の物理的プログラムの前提条件である。 第二に、現在の当該経営の財務状況を示す諸情報のことであるが、通常の財務諸表のほかキャッシュウーフローなどがある。これらの財務指標が,必要となるのは、各々選択しうる代替案が与える財務的インプリケーションを把握するためであり、言換えれば財務の安全性に照らした投資範囲や資金運用の方向を知ることが出来る。 第三に、経営環境指標が取上げられる。これらの情報は、経営を取り巻く外的環境の意味するものであるが、土地利用型農業に関しては、主として農地の流動化の進展度合い、圃場条件、農地市場をめぐる競争構造、関連制度のあり方などが挙げられよう。特に、これらの指標の如何によっては、投資決定における既存の公式などでは充分に説明できない意思決定が求められうこともある。
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