研究課題/領域番号 |
08556036
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
農業土木学・農村計画学
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
土谷 富士夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (30003130)
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研究分担者 |
高見 雅三 北海道地下資源調査所, 研究技術員
了戒 公利 清水建設(株)技術研究所, 主席研究員
丸山 純孝 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00003137)
石橋 憲一 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (60003117)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | 自然エネルギ / 土壌凍結 / 電気探査 / ヒ-トパイプ / 貯蔵施設 |
研究概要 |
ヒ-トパイプ型低温貯蔵庫の10年間の温度測定結果から経年変化をみると、地盤内部は完全に永久凍土化している。表面地盤は夏期から冬期直前まで融解し、再び凍土化する年次繰返しパタ-ンが得られた。永久凍土は庫内底部が最も大きく残存した。ヒ-トパイプ216本は多過ぎるため、庫内温度は零度以下なるから、半数のフインに布をかぶせた。それでも冷却能力は大きく、この程度の貯蔵空間では50本程度充分との結論が得られた(土谷担当)。 秋季に貯蔵したバレイショ、ナガイモ等の野菜類の減耗率を測定しているが、目減りは5%以下で良好な貯蔵状態にあり、このシステムは野菜の長期貯蔵に適していることが明白となった。貯蔵リンゴの水分と適定酸度は減少し、果皮は軟化傾向を示した。固体数が少ないため、糖度などバラツキが多く長期貯蔵効果は不明である(石橋担当)。 貯蔵庫堤部に生じる自然植生の調査結果、カラマツの優先度が高く、周辺の防風林の風散布にるものである。草本植物はオオヨモギ、オオアワダチ草が見られたがその被度は小さいことが判明した(丸山担当)。 吸水性ポリマ-の現地凍結実験によると、凍土層が形成されたが、融解した部分が熱抵抗となり有効に貯蔵庫を冷却しなくなることが判明した。潜熱蓄熱体を貯蔵庫周囲に置いた場合、発熱量の多い野菜は1.4〜1.5mの厚さが必要である.中央に潜熱蓄熱体を置き、融解による熱抵抗の少ない水のみを使用した構造「冬氷システム」が建設コスト削減になる提案を行った(了戒担当)。 電気探査機を使用して凍土の比抵抗値を測定した結果、未凍土と凍土の境界は1000Ωm前後となるが、明確に決定はできなかった。見掛比抵抗値と温度の相関から、面的な凍結線の分布を表すことができた。凍土造成期、最盛期、融解期の大きな違いが測定できたことから、年間の凍土量のバランスを把握できることが判明した(高見担当)。
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