研究概要 |
1)発毛促進薬の評価系としてのヘアレス犬の有用性の検討 毛包原器が認められる新生子期のヘアレス犬の背部皮膚に、既知の発毛促進薬であるminoxidil(3%溶液100ul)を含むパッチを21日間貼付して、発毛促進作用を検索した。その結果、毛包原器はminoxidil処置に速やかに反応してhair matrix cellsが毛包に分化、増殖し、発毛が認められた。また、毛包基底部には活性化したmelanocytesが見られた。一方、minoxidilを処置しなかった部位では毛包原器の分化、成熟は認められなかった。こうした所見から、新生子期のヘアレス犬は、短期間に発毛促進薬の効果を評価する試験系として極めて有用であることが明らかにされた。現在、本試験系を用いたminoxidilの発毛促進作用のメカニズムを検索中である。 2)ニキビ治療薬の評価系としてのヘアレス犬の有用性の検討 ヘアレス犬に見られる自然発症性ニキビの発生頻度、分布、皮膚の水分および脂質含量、組織学的性状を明らかにした上で、本試験系のニキビ治療評価系としての有用性を既存のニキビ治療薬(Clearasil,Staderm)を利用して検討した。その結果、本試験系はニキビ治療薬の評価系として極めて有用であることが示された。
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