研究課題
本研究の目的は、従来我々が開発した小動物用人工心肺装置および回路をさらによりよいものに改良し、安全に開心術が施行できるようにすることゝ、併せて体外循環法や手術操作法を確立し、操作マニュアルを作成することにある。本年度は初年度(平成8年)、昨年度(平成9年)に引き続き以下の点について検討した。1) 操作法の改良本年も昨年度に引き続き従来より使用してきた内部灌流型模型人工肺を用いて、常温下体外循環と中心冷却体外循環の両者間において、循環動態学的および内分泌学的に比較検討した。その結果、昨年度の報告と同様の結果を得ることが出来た。2) 人工肺の改良昨年度までの結果をもとに、さらに例数を増やし、内部灌流型と外部灌流型模型との間で比較検討した。その結果、外部灌流型の方が酸素加工率に優れ、さらに酸塩基平衡、血小板CRP等に与える影響も少ないことが判明した。3) 人工肺と回路およびその他付属品のヘパリン化この事項についても昨年度に引き続き、ヘパリンコートの人工肺及び回路等とそうでない人工肺等で比較検討をした。その結果は現在とりまとめ中である。4) 体外循環法と開心術操作のマニュアル化現在本研で目的としたすべての実験が終了し、体外循環法や手術操作法をマニュアル化している。