研究課題/領域番号 |
08557001
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
妹尾 春樹 秋田大学, 医学部, 教授 (90171355)
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研究分担者 |
畑 隆一郎 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (10014276)
今井 克幸 秋田大学, 医学部, 助手 (80006741)
佐藤 充 秋田大学, 医学部, 助手 (60226008)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 人工肝臓 / 三次元構造 / 活性持続型ビタミンC / 肝臓星細胞 / 肝臓実質細胞 / コラーゲン / 細胞内マトリックス / インテグリン |
研究概要 |
コラゲナーゼ溶液を正常ラット肝臓の門脈から灌流し、低速遠心、Percoll密度勾配遠心法によって、ビタミンA貯蔵細胞(肝臓星細胞、脂肪摂取細胞、伊東細胞、介在細胞)および実質細胞を単離し、10%fetal bovine serumを添加したDulbecco's modified Eagle's mediumあるいはWilliam's medium Eで培養することを樹立した。単離した肝臓星細胞と肝臓実質細胞由来の肝癌細胞HepG2を活性持続型ビタミンC(L-ascorbic acid2-phosphate;以下Asc2-P)存在下で共培養すると、両細胞は互いに接着して三次元構造を形成した。星細胞との接着によってHepG2細胞のチロシンリン酸化タンパク質の発現レベルが高まり、それらタンパク質の三次元的分布もダイナミックに変化した。Asc2-Pの機能は細胞のコラーゲン等の細胞外マトリックスの合成・分泌を介して発揮される。実際に細胞外マトリックスの種類とその三次元構造が肝臓星細胞の形態・増殖・機能を可逆的に制御することが明らかになった。 肝臓星細胞はI型コラーゲン線維と接着し、細胞突起をその線維の走行に沿って伸長させた。しかもその伸長には細胞突起内のmicrotubuleとacin filamentが重要であった。肝臓星細胞はI型コラーゲン線維と直接、しかも面を形成して接着し、その接着にはI型コラーゲン分子内のペプチドDGEAとインテグリンα2β1の結合が重要である。本研究によってインテグリンからのシグナルがtyrosineやphosphatidyylinositolのリン酸化、microtubuleとacin filamentのassemblyをひきおこし、細胞はきわめて生体内のそれに似た形態をとることが解明された。Asc2-Pによって合成・分泌の促進されるI型コラーゲンのnative fromが星細胞の形態・機能の発現にきわめて重要であることが示され、これらの結果を駆使することによって人工肝臓開発の実現に途が示されたといえる。
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