研究概要 |
1。C型慢性肝炎患者におけるIFNα+亜鉛併用療法の有用性 IFNα治療を行った18名のC型慢性肝炎患者にpolaprezinc150mgを経口投与し(併用群),IFNα単独治療群(143名)と治療効果を比較した。治療終了6カ月後の血中ALTの正常化率は併用群(78.6%)では単独群(51.7%)より高率であった。治療終了6カ月後のC型肝炎ウイルス(HCV)RNA陰性化率も併用群(50.0%)では単独群(37.1%)より高率であった。一方、亜鉛併用による重篤な副作用はなかった。 2。polaprezincの坑HCV作用に関する検討 C型慢性肝炎(16例)にpolaprezinc75mgを1日2回、3カ月間経口投与すると、HVCRNA値(log copies/mL)は7.95±2.47から5.76±1.22へ有意に減少した(p<0.05)。そして投与中止後3カ月目には2例を除き14例で再上昇した。一方、polaprezinc投与によって血中2,5AS活性,ALT値の有意の変化は認めなかった。 3。IFNαによるメタロチオネインmRNAの誘導 IFNα治療終了後follow up肝生検を施工しえた14例で,メタロチオネインmRNAの発現,PCNA陽性細胞を検討した。IFNα治療によってメタトチオネインmRNAはMT-1,MT-IIとも発現が抑制された。さらにPCNA陽性細胞もIFNα治療によって減少した。
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